手つかずの自然が残る
ロッキー・マウンテン国立公園

手つかずの自然が残る <br/>ロッキー・マウンテン国立公園

アウトドアの聖地として知られるコロラド州の最大の魅力は、ロッキー山脈なしでは語れない。北米大陸を南北に約4800キロにわたって連なる雄大な山々は、古来、エネルギーに満ちた癒しの地として人々に愛されてきた。なかでもコロラド州はロッキー山脈のもっとも標高が高い地域に位置し、手つかずの自然が今も残る貴重なエリアだ。そんなアメリカを象徴するコロラドロッキーの、大自然の魅力に迫る。

 

標高差による生物たちの楽園

ロッキー・マウンテン国立公園はコロラド州の北側に位置し、約26万6000エーカーもの広大な敷地を誇る。南西へとメキシコまで流れる大河・コロラド川は、ここロッキー・マウンテン国立公園に源を発する川だ。その豊富な水源が木々を豊かにし、動植物の楽園が築き上げられてきた。

この公園の一番の特徴は、標高差による多様な生態系。園内の標高は2400〜4300メートルほどで、場所によって見られる植物も動物も異なる。標高が低いエントランス周辺は、背の高いマツ林が広がる、もっとも多様な生き物が生息するエリア。針葉樹林の影に隠れてリスやカワウソ、ビーバーといった小動物から園内最大の生息数を誇るエルク、多様な鳥類、昆虫類が目まぐるしく活動している。耳を澄ませば、鳥のさえずりや小枝がパキリと折れる音など、生き物の気配をそこかしこに感じられるだろう。

標高3500メートル以上のエリアになると、背の高い木々は生きていくことができないツンドラ地帯へと突入する。ツンドラ地帯には、ロッキー山脈の美しい峰々をバックに見晴らしのいい高原が広がる。標高が高いため、冬は雪に覆われた静寂の地と化するが、夏には緑生い茂る草原に色とりどりの高原フラワーが咲き誇り、動物たちもツンドラ地帯まで上がってくるという。

ロッキー・マウンテン国立公園で見られる生態系は、約65種の哺乳類、250種以上の鳥類、140種以上の蝶類、そして1000種以上の植物と、まさに生き物の楽園。哺乳類はビッグホーン・シープやエルク、シカ、ムース、クマなどがおり、園内を散策すれば、高い確率で動物に出くわすことができる。

 

アクティビティ満載、園内の楽しみ方

Bear Lake

ここではハイキングをはじめ、釣りや乗馬、カヤックなどさまざまなアクティビティが楽しめる。敷地が広いので移動には車が必要だが、ドライブだけではなく外に出てこそロッキー山脈の魅力を実感できるので、とにかくアクティビティを体験していただきたい。

公園内には147の湖と500キロ以上のハイキングトレイル、そして6つのキャンプグラウンドがある。公園の東側、エステス・パークから入ると、近くにはベア・レイク(Bear Lake)やスプラグ・レイク(Sprague Lake)など、美しい湖が多数点在している。天気が良く風のない日は、湖に背後の山々と青い空が映り込み、対称となった美しい景観が見られる。

湖の周囲にはハイキングトレイルが敷かれているので、湖畔を歩いてみよう。特にベア・レイクの周りにはトレイルが多く、ハイキングをしながら別の湖をめぐることもできる。短い簡単なコースから長めのコースまでいろいろあるので、体力に合わせての散策がおすすめ。

夏に人気なのが、トレイルリッジ・ロード。ここはツンドラ地帯に位置するため冬は立ち入り禁止エリアとなっており、初夏から秋にかけてのみオープンする。トレイルリッジ・ロードは全米でもっとも標高の高い舗装道路といわれており、ドライブしながら高原をめぐれるのが魅力だ。

車窓からは高原の美しい景色が広がり、舗装道路の中でももっとも高い地点のHighest Pointから望める絶景は必見。先ほども話した通り、高地でくつろぐ動物たちと高原植物が見られるのは夏限定なので、これを見るために訪れる訪問客も多い。せっかくなので、時間が十分あるならここでもハイキングに挑戦しよう。標高が高いため危険な道も多いので、事前にビジターセンターのスタッフからおすすめコースやアドバイスを聞いておくといい。

公園には東側に2カ所、西側に1カ所エントランスがあり、園内には5つのビジターセンターが点在している。広くて見どころが多数あり、季節によってもおすすめのスポットが異なるので、迷ったら近くのビジターセンターで話を聞くのがいいだろう。

旅行雑誌、情報誌の編集者兼ライター。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。