神秘的な岩山がそびえるコロラドの一大観光地
ガーデン・オブ・ザ・ゴッド

神秘的な岩山がそびえるコロラドの一大観光地 <br/>ガーデン・オブ・ザ・ゴッド

コロラドスプリングスで一番人気の観光地といえば、「ガーデン・オブ・ザ・ゴッド(Garden of the Gods)」。その名が示す通り、真っ赤に燃えるような岩山が織りなす空間は地球上とは思えない不思議な光景だ。青い空と、背後にそびえる標高約4300メートルのパイクスピークとのコントラストは最高。

ガーデン・オブ・ザ・ゴッドのめぐり方

ここは、長い歴史の中で積み重なった地層が地殻変動や隆起で押し上げられ、さらに年月をかけて徐々に浸食されたことによって、奇岩群が出来上がった庭園。その神秘的な光景から「神々の庭」という名称がついたという。

壮大な景色が広がる敷地は実はわりとコンパクトで、車がなくてもパーク内を散策できる手軽さが人気だ。まずはビジターセンターへ。ここはミュージアムにもなっており、地域一帯の地質学的歴史や発掘された化石、現在生息している野生生物たちのことなどがパネルや映像、模型などの展示で学べる。2008年に発見されたこのエリア特有の新種の恐竜の模型などもあり、なかなか興味深い。

下の階には数年前にできたばかりのシアターがあり、赤い岩山が出来上がるまでの歴史を15分の映像で分かりやすく解説してくれる。館内のスタッフに声をかければ、パーク内のことをていねいに教えてくれるので、分からないことがあれば話しかけてみるといいだろう。

ミュージアムで概要を学んだら、いざ、パーク内へ。まず見えてくるのは巨大な赤い岩の塊だ。この公園のおもしろいところは、不思議な岩山をじっと見つめているとさまざまな形が浮かんでくること。入り口付近にそびえる岩山は「キッシング・キャメル(Kissing Camels)」という名称が付いている。その名の通り、2頭のラクダがキスしているように見える。どの部分がそう見えるのか、ぜひその目で確かめてみよう。

園内にはトレイルがあり、歩いて奇岩群を見て回ることが可能だ。天高くそびえるような「バベルの塔(Tower of Babel)」、巨人が眠っているかのように見える「眠る巨人(Sleeping Giant)」、垂直に押し上げられた地層が浸食で3つの柱のようになった「スリー・グレイス(Three Graces)」など、想像力を膨らませながら散策すると楽しい。なかにはプロポーズのスポットとなっているハート型の岩も。見つければいいことがあるかもしれないので、探してみて。

今は岩山がそびえるばかりのこのエリアだが、その長い年月の間、時には砂漠地帯、時には水が豊富なオアシスと、今の乾燥した光景からは想像できないほど多くの顔を持っていたというから驚きだ。よく注意して岩を見ると、地層に含まれる成分からさまざまな時代の側面を見て取れる。細かい砂が多い部分は砂漠時代、大小の石が流れるようにうねっている部分は水が流れていた証拠。園内を歩きながらそういった地層の動きに注目してみると、より楽しめるだろう。

岩山には所どころに小さな穴が空いている。運が良ければタカがひょっこり顔を出しているところが見られるかもしれないので、望遠鏡を持参するのがおすすめだ。公園内には150種類以上の鳥類が生息していると言われている。また、早朝に訪れればビッグホーン・シープなどの哺乳類も見られる。

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ウォーキングツアーでより深い魅力を知る

このエリアの歴史をもっと詳しく知りたいなら、ビジターセンターで無料のウォーキングツアーに申し込もう。この地をよく知るボランティアガイドが園内を案内して回ってくれる。地層から読み取れる地質学的歴史や、この地に棲む生き物のことなど、さまざまな興味深い豆知識を披露してくれるだろう。

一大撮影スポットとなっている「バランス・ロック(Balanced Rock)」も必見だ。入り口付近の奇岩群からさらに奥へ進んで行くと現れるその岩は、少しでも触ればゴロンゴロンと落ちてしまいそうなほど微妙なバランスで立っているように見える。でも、実際には落ちてこないのでご安心を。ここではぜひ、岩を支えるポーズで写真を撮ろう。

このパークでの楽しみは、奇岩群を見て回ることだけではない。園内にはそこかしこにハイキングトレイルが張りめぐらされており、多くのハイカーにとって人気のスポットとなっている。ベテランハイカーはもちろん、初心者にとっても歩きやすいコースがあるので、自分に合ったコースを楽しんで。

そのほかにもロッククライミングやジープ、セグウェイで回るツアー、アドベンチャー・プログラムなど、さまざまなアクティビティが実施されている。パークを訪れるなら、ぜひアクティビティにも参加してみよう。