変化に富んだ都市・デンバーは魅力が盛りだくさん

変化に富んだ都市・デンバーは魅力が盛りだくさん

コロラドの州都・デンバーは、州内一のビジネス街でありながら多くの観光スポットが点在するエンターテインメントの町だ。おまけに、コロラドならではの大自然が堪能できるロッキー山脈や周辺のアウトドアスポットへも、車で1〜2時間で行けるという好立地。全米各地からだけでなく東京からも直行便が就航しており、コロラド観光の玄関口の役割を果たすデンバーの魅力とは?

 

住みたい町として人気

大都市でありながら、美しい町並みが魅力のデンバー。近代的なガラス張りのビルディングが建ち並んでいるかと思えば、歴史あるレンガ造りの洋風建築がそこかしこに残っており、ひと昔のヨーロッパのような、趣のある雰囲気が漂う。実はデンバーは今、古い建築をリノベーションして新たなショップがオープンしたり、有名なオーナーシェフのレストランがオープンしたりと、急成長を遂げているのだ。

最近はベンチャー企業のビジネス拠点としても注目を集めている。また、アメリカのウェブサイトで毎年発表されている「住みやすい町ランキング」では、ここ3年間で毎年デンバーが3位以内にランクイン。アメリカ市民からも暮らしの拠点として人気が高まっている。

 

町のランドマーク、ユニオン・ステーション

デンバー空港とダウンタウン、そして市内外をつなぐ交通の拠点ユニオン・ステーション(Union Station)は、2014年にリニューアルオープンしたばかり。白い重厚な石造りの建物の中に入ると、クラシックな内装やランプで飾られた美しいホールが訪れる客を出迎えてくれる。

ホールにはオーナーシェフのレストランやバー、カフェ、本屋、セレクトショップなど、さまざまなお店が並んでいる。2階にあるバーレストラン「クーパーラウンジ(The Cooper Lounge)」では、おいしいつまみやカクテルを味わいながらホール全体を見渡せる。また、1階にある「スヌーズ(Snooze)」はデンバー発祥のレストラン。今では人気のレストランとして、全米に店舗を構えているほどだ。その特徴は、どこの店舗も必ずその地の食材を使用していること。休日は少し混み合うが、並んででもぜひ訪れたいところ。

Snoozeのエッグベネディクト

 

ショッピングなら、16番街モールへ

ユニオン・ステーションの脇から南東に向かって1キロ以上伸びる16番街モール(16th Street Mall)は、デンバー一のショッピング街。道の両側にはオシャレなショップやカフェ、みやげ物店、劇場などが軒を連ねている。また、南の方に進んだところには「デンバー・パビリオン(Denver Pavilions)」と呼ばれるショッピングセンターも。地元アーティストがコラボしたデンバーグッズが売られているショップなどもあるので、ここでしか手に入らないおみやげを探してみるのもいいかも。

 

クラシックからモダンまで、アートめぐり

デンバーには美術館や博物館が多数点在しているので、アートめぐりも一つの楽しみだ。「デンバー美術館(Denver Art Museum)」は、全米屈指のアメリカ先住民のアート作品を収蔵する美術館。ロッキー山脈をイメージした建物の外観からして印象的だが、内部には西洋から東洋まで、また歴史あるものからモダンアートまで、さまざまな作品が展示されている。おもしろいのが、動物をテーマとした展示コーナー。ここでは「動物」というキーワードから連想されるカテゴリごとに、世界各国のアートが展示されている。草間彌生さんをはじめとする日本人アーティストの作品も多数あるのでお見逃しなく。

また、「カークランド美術館(Kirkland Museum of Fine & Decorative Art)」は2018年の春にリニューアルオープンを迎えた話題の美術館。もともとの美術館を建物ごと移築し、さらに大きな収納スペースを持つ建物に移転。館内には家具や食器、ガラス細工などの装飾アートを年代ごとに展示しているため、芸術のトレンドの移り変わりを見ることができる。

そのほか、ウェスタンアートの美術館やガラスアートギャラリーといった美術館もあれば、マネー博物館や自動車博物館といった専門性の高いミュージアムもあり、アートめぐりだけで1日以上過ごせる。さらに、町なかにもアート作品がそこかしこに展示されている。必ず見ていただきたいのが、コンベンションセンターにあるブルーベア。高さ12メートルほどの青いクマの彫刻がガラス張りの建物の中をのぞく姿は愛らしく、デンバーのアイコン的存在になっている。そのほか、カラフルな牛の彫刻や床に描かれたイラストなど、アートを探しながら歩くと楽しいだろう。

さらに、最近注目を集めているのがライノ(RiNo = River North Art District)と呼ばれるエリア。この辺りは数年前から開発が始まり、今も進化し続けている。建物の壁にはスプレーアートがそこかしこに描かれており、町を歩くだけでも楽しめる。このエリアでは年に1回アートフェスティバルが開催されており、すべてのウォールアートが描き替えられるのだそうだ。ユニークなギャラリーも点在しているので、ぜひ訪れてみて。

 

グルメとブルワリーを堪能しよう

先ほども話した通り、デンバーにはオーナーシェフのレストランが年々増えている。ユニオン・ステーションから南西にあるラリマー・スクエア(Larimer Square)は、ヨーロッパのような歴史的西洋建築が立ち並ぶエリア。これらの建物は有名シェフが運営する高級レストランだ。

コロラドでは、地元の素材を生かしたオーガニックなグルメが人気。採れたての野菜や肉をレストランへ直送し、すぐに調理して食卓に提供する「ファーム・トゥ・テーブル(Farm to Table)」というスタイルに何年も前から取り組んでいる。大自然と農場の多いこの地では、ナチュラルビーフなどの肉も絶品。野菜たっぷりのサラダやステーキはこの地で一度は堪能しておきたい。

有名シェフの味を手ごろな価格で味わいたいなら、RiNoエリアにある「デンバー・セントラル・マーケット(Denver Central Market)」がおすすめ。数年前にオープンしたこのマーケットは、数々の有名シェフの高級レストランが出店するフードマーケットだ。ここでは厳選されたメニューが手ごろな価格で提供されており、複数のお店で料理を頼んでいろいろな味を楽しむこともできるのが魅力。

また、デンバーで外せないのがブルワリー。コロラドでは地ビールの製造が盛んで、その数はなんと200種類以上あるという。その生産量は全米一とも言われるほどだ。デンバー界隈だけでも35ものブルワリーが点在している。各ブルワリーにはレストランが併設されており、何種類も飲み比べできるように試飲サイズのメニューも用意されている。また、ブルワリーをめぐるツアーなども開催されおり、ビール好きのみならず初心者でも楽しめること間違いなしだ。

 

アウトドアを体験したいなら「レッド・ロックス」へ

デンバーの中心地から車で30分ほどの「レッド・ロックス(Red Rocks)」は、大自然を利用したコンサート劇場。西部らしい赤い岩山がそびえる高原の中心には、1万人近くを収容できる野外劇場が設置されている。大自然に囲まれた満点の星空の下、開放的なスペースですべてをさらけ出して大盛り上がりができるとあって、今や人気のライブ会場だ。

ビートルズやU2、コールドプレイといった超一流アーティストをはじめ、オペラ歌手やオーケストラなど、数々の著名人がここでパフォーマンスをしてきた。ライブが好き、ライブ会場の雰囲気が好きという人なら、必ず一度はここでライブ体験をしたいところ。

施設内にはコンサートの歴史をたどれるミュージアムやテラスで開放感に浸れるレストラン、ギフトショップなども併設されており、観光地として訪れるだけでも楽しい。また、自然の中とあって周辺にはハイキングコースやサイクリングコースも。デンバーからちょっと足を延ばして自然に触れるのにぴったりの場所だ。

一流のアートやグルメからショッピング、アウトドアまで、あらゆる楽しみがギュッと詰まったデンバー。注目が高まっているこの町は、今もこれからも、魅力溢れる町として進化し続ける。

旅行雑誌、情報誌の編集者兼ライター。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。