アメリカの首都ワシントンD.C.を遊び尽くそう!

アメリカの首都ワシントンD.C.を遊び尽くそう!

アメリカの首都ワシントンD.C.といえば、大統領のスピーチやデモなどの様子をテレビで見たことがある人も多いだろう。そんな政治の中心地であるワシントンD.C.には、政府機関はもちろん、美術館や博物館、古き良き町並みなど見どころがたくさんある。ワシントンD.C.の歴史とともに遊び尽くすためのアイデアをご紹介。

 

 

ワシントンD.C.ってどんなところ?

ワシントンD.C.はアメリカの東部に位置する小さな都市。D.C.とは「District of Columbia」の略で、日本語だとコロンビア特別区となる。そう、ワシントンD.C.はアメリカで唯一どこの州にも属さない、連邦政府の直轄地なのだ。ちなみに「コロンビア」はアメリカ大陸を発見したコロンブスの名前に由来している。なぜワシントンD.C. だけが州ではないのかというと、その理由は1760年代の植民地時代にさかのぼる。

当時、英国の植民地であったアメリカでは入植者たちは税を課されるものの、みずから政治体制や社会制度を決定する権利を認められていなかった。この状況を打開しようと入植者たちが立ち上がり、独立戦争を経てイギリスからの独立に成功したのだ。それから各州には議員が選出され、政治経済の自決権を得られるようになった。しかし、ワシントンD.C.だけは200年以上経った今でも州として認められていない。現在この都市には約70万5000人の住人がいるが、いまだに議決権のある代表議員を送れない状態なのである。

ちなみに2021年4月、米下院はワシントンD.C.を51番目の州にするという法案を可決した。成立までのハードルはまだ高いが、住民にとって悲願である州への昇格は近いかもしれない。

 

アメリカの歴史を学ぶ

連邦所在地であるワシントンD.C.は政府機関が集まる国の中枢。さまざまな政府関連の建物が立ち並び、なかには内部を見学できる施設も多数ある。

 

ホワイトハウス(The White House)
まずは言わずと知れた大統領公邸・ホワイトハウスへ。周囲は厳重な警備が敷かれた柵で囲まれているが、意外と近い距離で建物を見られるのはアメリカならではだろうか。まさにテレビでよく見るあの建物が町なかに普通に建っているので少しびっくりする。ホワイトハウスを正面から撮影するなら、ザ・エリプス(The Ellipse)という公園の北側から撮影するのがおすすめ。

ちなみにホワイトハウスの公式見学ツアーに参加すると建物内部に入ることもできるのだが、国会議員に依頼をしなければならなかったり、3カ月前から申請をしたりとハードルはかなり高い。毎年2回行われるホワイトハウス主催のガーデンツアーに申し込めば、建物に入ることはできないが敷地内のガーデンを見学できるので、興味があればホワイトハウス公式サイトでチェックしよう。

ホワイトハウス公式サイト:
https://www.whitehouse.gov/about-the-white-house/tours-events/

 

 

ワシントン記念塔(Washington Monument)
ホワイトハウスを見た後は、そのまま南へと歩いてワシントン記念塔へ。アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンを称えて建てられた記念塔は大理石で造られており、高さは約169メートル。数多くの映画のロケ地としても使われているので、見たことがある人も多いだろう。チケットを購入すれは中に入ることができ、塔の頂上まで上ることもできる。頂上からはワシントンD.C.の町並みを360度見渡すことができるので、ぜひ見学してほしい。

なお、記念塔の周辺には日本から寄贈されたソメイヨシノが植えられており、春には満開の桜を楽しめる。

ワシントン記念塔:
https://www.nps.gov/wamo/index.htm

 

 

リンカーン記念堂(Lincoln Memorial)
ワシントン記念塔の西側に位置するリンカーン記念堂も、訪れておきたい観光スポットの一つ。大理石でできたギリシャ神殿のような建物内部には、第16代大統領エイブラハム・リンカーンの巨大な石像が建っている。椅子に腰かけた高さ5.7メートルの像を見上げると、その巨大さに圧倒される。

像の左側の壁には自由と平等を説いたリンカーンの有名なゲティスバーグ演説が刻まれているので、お見逃しなく。記念堂の正面にはリフレクティング・プール(Reflecting Pool)と呼ばれる長方形の池があり、その反対側にはワシントン記念塔が見える。ここからの眺めも美しいので撮影スポットとしておすすめ。

リンカーン記念堂:
https://www.nps.gov/linc/index.htm

 

 

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑(Martin Luther King, Jr. Memorial)
リンカーン記念堂から南東へ少し歩くと大きなため池があり、ため池に面してマーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑が建てられている。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、1960年代にアフリカ系アメリカ人の公民権運動の指導者として活躍した牧師。「I have a dream」というあの伝説的なスピーチはリンカーン記念堂の階段で行われた。記念碑の周りにはスピーチの内容が刻まれている。

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑:
https://www.nps.gov/mlkm/index.htm

 

 

トマス・ジェファソン記念堂(Thomas Jefferson Memorial)
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑からため池の南側をぐるりと回った所にあるのが、トマス・ジェファソン記念堂。美しいドーム型の建物内には高さ約5.7メートルのトマス・ジェファソンの銅像が建っている。トマス・ジェファソンはアメリカ独立宣言の起草者の一人であり、第3代大統領。建物内部の壁面には、独立宣言の引用や憲法起草の声明などが刻まれている。

トマス・ジェファソン記念堂:
https://www.nps.gov/thje/index.htm

 

 

アメリカ合衆国国会議事堂(United States Capitol)
ワシントン記念塔を挟んでナショナルモールの反対側に位置する真っ白な建物は、アメリカ合衆国国会議事堂。近年では、2020年2月の大統領選の際にトランプ元大統領の支持者が乱入した事件が記憶に新しいだろう。

ここでは事前予約をしてぜひ内部見学ツアーに参加してほしい。中にはアメリカの歴史を物語る絵画や偉人たちの銅像などが展示されており、ヘッドフォンでガイドを聞きながら見学ができる。ドーム天井や格天井の趣向を凝らしたデザインにも注目だ。また、カフェテリアやギフトショップなどもある。

アメリカ合衆国国会議事堂:
https://www.visitthecapitol.gov

 

 

アメリカ議会図書館(Library of Congress)
国会議事堂の東側にあるアメリカ議会図書館は、世界最大の図書館。ここには書籍、印刷物、写本、動画、音源などを含めて1億7000万点以上が所蔵されている。取り扱われている言語は約470言語。北アメリカでは希少なコレクションなどもあり、世界中から多くの人々が訪れる。

贅を尽くした内部装飾も必見。本好きの人はもちろん、建築や歴史に興味がある人など誰でも楽しめ、筆者的には1番おすすめしたい観光スポットだ。中に入るには事前予約が必要。公式サイトからオンライン予約が可能だが、1日の受付人数が決まっており、先の日程まで予約が埋まっていることも多いので余裕をもって予約しよう。

アメリカ議会図書館:
https://www.loc.gov

 

 

上記で紹介した施設のほかにも、独立宣言文書の実物が見られるアメリカ国立公文書館(National Archives Nyseum)や第二次世界大戦記念堂(World War II Memorial)、第32代大統領フランクリン・ルーズベルトを称えるフランクリン・デラノ・ルーズベルト記念堂(Franklin Delano Roosevelt Memorial)など見どころは尽きない。

 

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スミソニアン博物館を巡る

スミソニアン博物館とは、ワシントンD.C.にある博物館群の総称。この大都市には自然史、文化史、芸術、科学、産業、技術などさまざまな分野をテーマとした19の博物館・美術館が点在しており、これらはすべてスミソニアン学術協会によって運営されている。さらに驚くことに、スミソニアン博物館はすべて入場無料なので、訪れなければもったいない!

ワシントン記念塔と国会議事堂の間にあるナショナル・モールと呼ばれる広場エリアには、特にギャラリーが集合している。今回は、中でもおすすめしたい3つのギャラリーを紹介する。

 

 

国立自然史博物館(Smithsonian National Museum of Natural History)
スミソニアン博物館の中でも人気の高い博物館。ここには恐竜や地球上生物の歴史をたどる展示をはじめ、植物、隕石、鉱物など地球の謎を解き明かす展示物が多数所蔵されている。建物のエントランスホールに展示されている世界最大級のアフリカゾウのはく製は迫力満点。2階の鉱石エリアに展示されている「呪いのダイヤ」と称された45.5カラットのダイヤモンドも見物だ。

国立自然史博物館:
https://naturalhistory.si.edu

 

 

ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(National Gallery of Art)
ここでは13世紀から現代まで、約15万点もの絵画や彫刻、写真作品が所蔵されている。建物は西館と東館に分かれており、西館では13〜19世紀のアート、東館では現代アートが見られる。おすすめなのは、なじみのある画家の作品が多く展示されている西館。

館内は時代や国別にエリアが分けられている。ヨーロッパ以外で唯一見られるレオナルド・ダ・ヴィンチの作品『ジネブラ・デ・ベンチの肖像』は必見。また、ダ・ヴィンチと並びルネサンスの三大巨匠といわれるラファエロやミケランジェロの作品も見ごたえがある。17世紀のオランダ絵画のエリアでは、光と影を描くフェルメールやレンブラントの作品。さらに、19世紀フランス絵画のエリアには印象派のモネ、ゴッホ、セザンヌ、ゴーギャン、ルノワールといった有名画家の作品が多数展示されており、美術に詳しくない人でも楽しめる。

ナショナル・ギャラリー・オブ・アート:
https://www.nga.gov

 

国立航空宇宙博物館(Smithsonian National Air and Space Museum)
スミソニアン博物館の中でも人気が高い博物館。エントランスを入ればさまざまな航空機が天井から吊るされており、冒険心を一気にくすぐられる。1階に展示されているのは、人類史上初めて月面着陸に成功したアポロ11や2004年に民間企業が初めて有人宇宙飛行を成功させたスペースシップワン、世界初の超音速飛行に成功したベルX-1などの航空機たち。2階へ上がると第一次世界大戦や第二次世界大戦で使用された世界各国の戦闘機が展示されており、中には日本の零戦も。また、世界で初めての飛行を成し遂げたライト兄弟の飛行機・フライヤー号も絶対に見ておこう。航空・宇宙好きにはたまらない博物館だ。

国立航空宇宙博物館:
https://airandspace.si.edu

 

このほかにも、アメリカの建国以来の歴史を学べる国立アメリカ歴史博物館(The National Museum of Amewrican History)、パブロ・ピカソやアンディ・ウォーホル、オーギュスト・ロダンなどのモダンアートやコンテンポラリーアートが見られるハーシュホーン博物館と彫刻庭園(Hirshhorn Museum and Sculpture Garden)など、見どころはたくさん。また、スミソニアン博物館には含まれないが、国際スパイ博物館(International Spy Museum)もおすすめ。世界各国に実在したスパイたちの情報や、スパイが使う道具や暗号などが学べるとても興味深い博物館だ。

 

まだまだ見どころはたくさん!

ワシントンD.C.で楽しめるのは学びの分野だけではない。財政界の著名人が通うような名店レストランでおいしい料理に舌鼓を打ったり、ローカルフードから世界各国のフードまでさまざまなベンダーが集まったおしゃれなフードコート「ユニオンマーケット」でユニークな食体験をしたりと、グルメもワシントンD.C.の一大産業だ。かつての公共図書館を再利用したアップルストア「アップル・カーネギー図書館」も時間があればぜひ訪れてほしい。また、少し足を延ばせば、植民地時代のヨーロッパの面影が色濃く残るジョージタウンやハイキングを楽しめるロッククリーク・パークなど、魅力は尽きない。

ワシントンD.C.は公共交通機関も充実しているので、メトロやバスを使えばどこにでもアクセスできる便利な町。3、4日ほどあれば見どころをすべて回ることができるので、週末に数日プラスしてアメリカの中枢・ワシントンD.C.へ遊びに行こう。