愛らしい名前が印象的なラブランドって?

愛らしい名前が印象的なラブランドって?

コロラド州のデンバーにほど近いラブランド(Loveland)をご存知だろうか。アメリカ市民ならまだしも、日本人にはほとんど知られていないこの町、実はとても素敵な所だ。コロラドを訪れたなら一度は立ち寄っていただきたいラブランドとは、どんな町なのだろうか。

 

町の名前はある人物から

ラブランドは、1881年に市として成立。その成り立ちに貢献したウィリアム A. H. ラブランドという人物の名前が市の名称として使われている。人口は約7万人。小さな町だが、コロラドの州都デンバーにも、自然の宝庫ロッキー・マウンテン国立公園にも車で1時間ほどで行けるという好立地が魅力だ。

 

世界中からアーティストが集まる、彫刻の町

ラブランドの一大産業は、何と言っても彫刻産業。この町には全米屈指の鋳物工場である「Art Castings of Colorado」がある。ここでは世界中のクライアントから発注を受けて、彫刻アートが製造されている。ピクサーのようなエンターテインメント会社からの販売用の小型彫刻を受注することもあれば、国立公園や大企業から施設に展示するための大型彫刻を請け負うこともある。あらゆる作品を手がける高度な技術を誇る、プロの職人が集まった工場なのだ。

ここでは、彫刻の製造過程を解説する見学ツアーが人気。工場のスタッフが、彫刻ができるまでの各工程を実際に見て回りながら説明してくれるのだ。

まずは専用のメガネを受け取り、いざ、見学スタート。彫刻製造のはじまりはデザインから。クライアントからの要望に沿った形で、小さな模型を製作する。そこから実寸を割り出して型取りを行う。サイズの大きなものは、パーツを分けて鋳造してからつなぎ合わせるのだそう。

施設内では模型製作から型取りの工程、高温に熱した金属の流し込み、乾燥、仕上げまで、すべての工程が行われる。流し込みエリアに入ると熱気がすごく、職人さんの引き締まった表情まで見られるので興味深い。今回訪れた時は、侍のような彫刻作品があった。日本からも発注を受けているのだろう。

最初から最後までのすべての工程を間近で見られる、貴重な経験ができる施設だ。

 

ベンソン彫刻庭園でインスタ映え撮影会

彫刻の製造工程を学んだら、今度は町なかに位置するベンソン彫刻庭園(Benson Sculpture Garden)へ。この広い公園内には約150もの彫刻アートがあちこちに展示されている。地元アーティストをはじめ、世界中のアーティストが手がけた彫刻作品の数々に実際に触れて遊べる公園だ。

おもしろいのが、自分が加わることで作品が完成する、参加型のアート作品が多数あること。作品に合わせてさまざまなポーズをとって写真を撮れば、インスタ映え間違いなし。

この公園では毎年夏に彫刻アートのフェスティバルが開催されているのだそうだ。フェスティバルには世界中からアーティストが参加し、展示販売が実施される。年々、彫刻アートが増え続けるベンソン彫刻庭園は、地元の住民にとっても憩いの場となっているという。

 

アウトドアアクティビティも盛ん

ラブランドの繁華街は市内のほんの一部分で、そのほかのエリアはすべて自然に覆われている。町の中心地からすぐのところでアウトドアを楽しむことができるのだ。「シルバンデール・ゲスト牧場(Sylvan Dale Guest Ranch)」は広大な牧場を有する施設。ここでは乗馬用の馬が飼育されており、自然の真っ只中で乗馬体験をすることができる。

自分で手綱を操作しながら丘を移動すると、気分は西部劇の役者。丘の上からは町を一望でき、頬を撫でる風が心地いい。この施設には牧場のほか宿泊棟もあり、乗馬体験をはじめ、バーベキューやキャンプファイヤー、農業体験など、西部アメリカの生の生活が体験できる。オーナーはとてもフレンドリーな老夫婦で、焚き火を囲みながら町のことをいろいろと話してくれる。カウボーイハットを被った、まさに西部劇さながらの格好でギターを弾きながら、心和むウェスタンミュージックを披露してくれることも。

 

ダウンタウンではショッピングや食事を

ラブランドのダウンタウンは小さなエリアながら、多くの人々で賑わっている。メインストリートにはおしゃれなブティックが立ち並び、コロラドらしいオーガニックなレストランも。アウトドアを楽しんだ後は、夜の町を楽しもう。

 

住民にこの町の魅力を聞くと、「都市にも山々にも近いのが自慢」と皆が口を揃えて話すラブランド。愛に溢れたこの町へ、ぜひ一度訪れてみて。

旅行雑誌、情報誌の編集者兼ライター。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。