自然と都市が融合した町・コロラドスプリングス

自然と都市が融合した町・コロラドスプリングス

コロラドの州都・デンバーから南へ向かって車を走らせると、左右には果てしなく続く盆地が広がる。ある時には広い牧場で馬や牛たちがのびのびと草を食む姿が、またある時には丘の上にポツリと佇む赤い屋根の家が見え、西部アメリカの土地の広さに感動を覚える。1時間半ほど走ると徐々に周囲に家々増えていき、そのうち大きな都市へと行き着く。ここがコロラドスプリングス(Colorado Springs)だ。

 

全米でも注目の町

コロラドスプリングスは、デンバーに次ぐコロラド第2の都市。賑やかな都市でありながら周囲には間近に山々が迫る、自然と共存した美しい町だ。2018年には、アメリカのウェブサイトで毎年発表される「アメリカの住みやすい町ランキング」で第2位にランクイン。今、アメリカ中から人気が高まっている。

そんなコロラドスプリングスの魅力は、町なかでのショッピングや歴史的スポットの観光から大自然の中でのアウトドアアクティビティまで、自然と都市の両方を気軽に楽しめるところ。見どころがコンパクトにまとまっているこの地では、自然が作り出したみごとな造形美もシティらしさも、両方1日で満喫することが可能だ。

 

赤と青のコントラストが美しい神々のガーデン

コロラドスプリングスの観光で絶対に外せないのが、「ガーデン・オブ・ザ・ゴッド(Garden of the Gods)」。この町でもっとも人気のスポットと言っても過言ではない、無数の赤い奇岩がそびえる公園だ。長い年月をかけて積み上げられた地層が地殻変動による隆起で押し上げられ、浸食で徐々に削られたことによって奇岩の山が出来上がった。その神秘的な光景は、まさに神々の庭園のよう。

浸食で不思議な形に削られた岩山は、人々のイマジネーションを刺激する。2頭のラクダがキスしているかのように見える「キッシング・キャメル」や、微妙なバランスの上に立つ大きな岩「バランス・ロック」など、その見た目から名前のついた様々な奇岩が見られる。

天気のいい日は特に、赤い岩山と空一面に広がる色濃い青空の美しいコントラストが際立つ。夕方には岩山がさらに燃えるように赤く染まり、この一瞬を逃すまいと多くのカメラマンたちが集うほどだ。

 

老舗ホテル「ザ・ブロードモア」で優雅な休日を

コロラドスプリングスで創業し、2018年で100周年を迎えた老舗リゾート「ザ・ブロードモア(The Broadmoor)」。全米にその名が知られる、大自然を満喫できる五ツ星の高級ホテルだ。建物はヨーロッパ風の建築で、エントランスを入るとまるでお城のような立派なロビーが来客を迎えてくれる。

創業者であるスペンサー・ペンローズ氏は当時、敷地内で馬やキリン、ゾウなどさまざまな動物を飼っていたという。のちにこれらの動物のために施設が作られ、今も動物園として開園されている。館内には、こういったペンローズ氏のエピソードを語る思い出の品が、そこかしこに展示されている。

敷地内には客室のほか、スパや屋内プール、ゴルフ場、バー、レストラン、ショッピングエリアなど、ゆったりと優雅に過ごせる施設が併設されている。また、乗馬や釣りなどのアウトドアアクティビティも受け付けているので、この地ならではの自然を楽しもう。

 

パイクスピークでアウトドアを満喫

ロッキー山脈の名峰の一つであるパイクスピーク(Pikes Peak)は、コロラドスプリングスにある約4300メートルの高山。ダウンタウンからほど近いこの山は、アウトドアの聖地だ。

特に観光客に人気なのが、夏から秋にかけて運転されるアプト式登山列車「パイクスピーク・コグ・レイルウェイ」。この列車は、山麓に位置するマニトゥスプリングスという町の駅から出発し、山頂にある駅まで1時間ほどかけて急勾配の斜面をぐんぐんと登って行く。山の裾野から永久凍土である頂上まで、進むにつれて刻々と景色が変わっていく様子はまさに圧巻。頂上のカフェで過ごす贅沢なひと時も、忘れられない思い出になるだろう(2018年は運休が決定)。

そのほか、ハイキングコースやマウンテンバイク、釣り、ドライブなど、楽しめるアクティビティは数知れず。コロラドスプリングスを訪れたなら必ず立ち寄りたい観光スポットだ。

 

一足伸ばしてマニトゥスプリングスへ

コロラドスプリングスと隣り合うマニトゥスプリングス(Manitou Springs)は、パイクスピークの玄関口として知られる小さな町だ。鉄道の起点駅があるほか、頂上へと向かうトレイルのスタート地点でもある。

また、この町のもう一つの楽しみが飲泉めぐり。町なかには鉱泉が湧き出る飲泉所が9カ所もある。おもしろいのが、これらのほとんどが炭酸泉であること。炭酸の強さが違ったり水の硬度が違ったりと、鉱泉によってそれぞれ特徴が異なるので、すべての飲泉所をめぐってみよう。

町は小さく、ダウンタウンの見どころはギュッと集結されている。みやげ物店やレストラン、ギャラリーなどもあり、徒歩で町を散策すればお気に入りの店が見つかるだろう。

 

コロラドスプリングスにはこのほか、キャンパス内で無料ツアーに参加できる空軍士官学校、ダウンタウンで実施されているセグウェイツアーや町歩きガイドなど、体験できるアクティビティは数多い。2020年には「アメリカオリンピック・ミュージアム&ホールオブフェイム(The U.S. Olympic Museum Hall of Fame)」のオープンも控えており、注目が高まっている。

旅行雑誌、情報誌の編集者兼ライター。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。