温泉大国コロラドの
パゴサスプリングスで温泉三昧
- 2018.06.17
- コロラド/Colorado
コロラド州の南西部、ニューメキシコとの州境にほど近いところにあるパゴサスプリングスという町は、何を隠そう、日本人が大好きな温泉地として知られている。実はコロラド州は、温泉があちこちで湧き出ている温泉大国だ。ロッキー山脈のミネラルを豊富に含んだ天然温泉は、古来、アメリカ先住民の体を癒してきたという。
パゴサスプリングスってどんなところ?
パゴサスプリングスの「パゴサ」は、先住民ユート族の言葉で“癒しの水(Healing Water)”という意味があるらしい。そんな長い歴史のあるパゴサスプリングスは、世界一深い温泉としてギネス世界記録を持っていることでも有名だ。その温泉は、「ザ・スプリングス リゾート&スパ(The Springs Resort & Spa)」という宿泊施設内にある。
「Mother Spring」という名がついたこの天然温泉は、一番深いところで300メートル以上。だが、その正確な深さは誰も知らない。なぜかというと、この温泉の深さを測定しようとすると、毎回、計測紐が底面に到達する前に切れてしまうのだという。ターコイズブルーの温泉は、水面から中を見通すことはできない。底が知れないこの温泉は、人々興味の的となっているのも頷ける。湯の温度は約60度。熱すぎて人が入ることはできないので、くれぐれも入浴したりしないように。
温泉にショッピングに、リゾート気分を楽しもう
もちろん、ザ・スプリングスには入浴用の温泉もある。施設内にある浴場には大小23もの浴槽があり、すべてが野外の露天風呂だ。日本と異なるのが、水着着用が必要なこと。アメリカ人はプール感覚で入浴を楽しむ。最初はちょっと違和感があるかもしれないが、実際に入ってみると青みがかった白いにごり湯に温泉特有の匂いが漂い、癒しの湯が体中に染み渡る感覚に「あぁ、間違いなく温泉だ」と実感するだろう。
複数ある浴槽にはすべて名前がついており、温度も異なる。日によって多少上下するが、大体35〜42度。誰でも利用できるエリアのほかに、静かにゆったりとくつろげる大人用のエリアもある。すぐ脇にはサンファン川が流れており、せせらぎに耳を澄ましながら湯舟に浸かれば、自然と一体になったような感覚に思わずため息が出てしまうだろう。
ザ・スプリングスには3つの異なる宿泊棟があり、温泉は24時間いつでも入ることが可能。そのほか、マッサージなどを体験できるスパ施設やギフトショップ、レストランなども併設されており、疲れた体を休めるバケーションの目的地にぴったりだ。
温泉でゆったり体の疲れを癒したら、町なかへ繰り出してみよう。川を挟んだ反対側にはダウンタウンがあり、西部アメリカを彷彿させるロッジ風の建物が軒を連ねている。みやげショップやカフェレストラン、バー、おしゃれなベーカリーなど、コンパクトにまとまった町並みはまるで洋風温泉街。
周辺はアウトドアの宝庫
また、パゴサスプリングスは中心街が複数のナショナル・フォレストで囲まれているのも特徴だ。町を離れれば、そこには豊富な木々に覆われた大自然が広がっている。山の中ではハイキングや乗馬、そこかしこに点在する湖では釣りやボートなど、アウトドアアクティビティの聖地としても人気だ。
ハイキングに挑戦するならおすすめしたいのが、トレジャー・フォール(Treasure Falls)。ダウンタウンの東側から北東へとUS-160を進んでいくとたどり着くハイキングスポットで、美しい滝が流れており、その周囲にハイキングトレイルが敷かれている。清涼なパワーを感じながら自然の中を歩けば、身も心も浄化されるよう。
温泉にダウンタウンにアウトドアに、まさに癒しの地と言えるパゴサスプリングス。春になれば周囲は色とりどりの花が咲き誇り、より美しい景色へと変化するらしい。日々の疲れた体を休めに、出かけてみてはいかが。
旅行雑誌、情報誌のフリー編集者兼ライター・フォトグラファー。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。世界遺産検定1級所持。
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