ニューオーリンズのプランテーションとは

ニューオーリンズのプランテーションとは

独自の文化が発展したユニークな町、ニューオーリンズ。この中心街から車で1時間ほど西へ向かったところにあるのが、大邸宅が点在するプランテーション(Plantation/農園)群だ。

これらの邸宅は南北戦争前の18〜19世紀、綿花やサトウキビの栽培、砂糖の製造などで莫大な富を得たプランター(農家)によって建てられたもの。ヨーロッパ風の豪華な邸宅内部では、キッチンや寝室、リビングなどが再現されており、当時の裕福な暮らしをうかがい知ることができる。また、これらの邸宅で労働を強いられた黒人奴隷たちの生活ぶりもパネルとともに再現されている。

各プランテーションでは内部見学ツアーが開催されている。現在ツアーを実施しているプランテーションは10カ所。それぞれでスタッフが豪奢な邸宅や美しい庭園などを案内しながら、当時の暮らしの解説やかつて邸宅に住んでいた一家のエピソードなどを説明してくれる。ここではそのうちの一つ「オーク・アレイ・プランテーション(Oak Alley Plantation)」を紹介しよう。

オーク・アレイ・プランテーションの邸宅は、サトウキビ栽培と砂糖の製造で富を得たジャック・ローマンによって1839年に建てられたもの。エントランスを入ってまっすぐ進むと、溜め池に見立てたシュガーケトルが中央に据えられている広場が正面に見えてくる。ここを左へ進むと大邸宅だ。

ここでは定期的に内部見学ツアーが開催されており、ツアーに参加しないと中には入れない。当時の服装を身にまとったスタッフがダイニングや寝室、リビングなどを一つひとつ説明しながら案内してくれる。どの部屋も豪華な装飾が施してあり、当時の裕福ぶりがよく分かる。

必見なのは、家の裏側にある2階のバルコニーからの眺め。目の前には樹齢300年以上の巨大なオークの木が左右に28本立ち並び、ミシシッピ川へと木のトンネルが続く。これがこの農園の名のオーク・アレイたる所以だ。がっしりとした太い幹を大きく広げるオークの木々がこの邸宅を長年守り続けて来たのだろうと思うと、なんだか感慨深い。

 

バルコニーから眺めた後は、実際にこの並木道を歩いてみよう。緑生い茂る木々の間からは陽光が温かく差し込み、鳥のさえずりやリスが駆け回る音が聞こえてくる。並木道の先まで行くと、目の前にはミシシッピ川が広がる。これが古き良きアメリカなのだろうと、思いを馳せてみるのもいいだろう。

後ろを振り返ればオーク並木と、その奥に顔をのぞかせている邸宅が見える。この構図は人気の撮影スポットとなっているので、記念撮影をお忘れなく。

邸宅まで戻り左へ曲がると、きれいに手入れされた庭園と砂糖製造について学べるシアターがある。シュガーケトルまで戻り反対側へ行くと、黒人奴隷の住居跡が左右に並ぶ。住居といっても見た目は物置小屋のようなもの。邸宅内の部屋とは対照的に、6畳ほどの板敷きの部屋に小さな寝床とテーブルしかない内装は衝撃的だ。一部の小屋ではこの農園で労働を強いられた黒人奴隷たちの名前が刻まれた壁や、逃亡防止や罰を与えるために使用された器具類などが展示されており、どんな生活を強いられていたかが分かる。

農園内にはギフトショップや南部料理を味わえるレストランなども併設されている。暖かい季節には通り沿いに花が植えられていて、邸宅周辺の外部もきれいだ。プランテーションは車があれば個人でも来られるが、フレンチ・クォーターのホテルなどからピックアップしてバスで連れていってくれるツアーも多数開催されている。

アメリカの歴史を知るための一つの重要なスポットとなっているプランテーション。ニューオーリンズを訪れたら、ここにも足を運んでみよう。

旅行雑誌、情報誌の編集者兼ライター。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。