一生に一度は見に行きたい!「青森ねぶた祭り」

一生に一度は見に行きたい!「青森ねぶた祭り」

日本には各地に古くから伝わる祭りが数多くある。一生に一度は見るべきなのが、青森市で毎年開催される「青森ねぶた祭り」。日本だけでなく海外からも観光客が訪れる、世界的に有名なねぶた祭りの魅力を紹介しよう。

ねぶた祭りの由来は明確な文献などが残っていないため定かではないが、七夕祭りで行なわれる灯籠流しが変形したものという説が有力とされている。奈良時代(710〜794)に中国から伝わってきた七夕祭りと、津軽地方に受け継がれてきた精霊送りや人形・虫送りなどが融合し、その後、紙の灯籠から人形の灯籠へと変化していったと考えられている。

初期の頃は無病息災を祈って、「ねぶた」と呼ばれる灯籠を穢れとともに川や海に流す禊の行事とされていた。これは「ねぶた流し」と呼ばれ、現在の青森ねぶたにおける海上運行の原型とされている。

この祭りの魅力は、なんといっても巨大なねぶたの迫力に尽きるだろう。その大きさは去ることながら、細部まで緻密に作り上げられた灯籠は本当に見事だ。明かりを点すと、息を吹き込まれたかのように色鮮やかにいきいきと光を放つ。

ねぶたの題材は、歴史的な物語から決められることが多い。たとえば神話の海幸彦・山幸彦や、陰陽師の妖怪退治、源義経の戦いの一場面などだ。ねぶたには制作者に与えられる賞と、運行や跳人、囃子などを総合評価し団体に与えられる賞がある。

ねぶたの制作は、木材や針金を使った骨組みに和紙を張りつけ、墨で顔や手足、着物などを書き分けて色をつけていく。寸法を測り、針金で緩やかなカーブや服の滑らかさを表現していく作業は高度なテクニックが必要だ。職人が匠の技を駆使して一つひとつ慎重に作業を重ね、造り上げられるねぶたは今にも動き出しそうなほどリアルなつくり。

さて、青森ねぶた祭りは毎年8月2〜7日の6日間開催される。運行コースは青森駅前の新町通りや奥州街道あたりだ。開催期間中は、町なかがねぶたで一色になる。駅前に出るとたくさんの金魚ねぶたが装飾されており、すでにお祭りムードが始まっている。町なかは午前中から多くの人々で賑わい、商店街の店先からは跳人の衣装貸し出しやねぶたグッズの販売などで呼び込みの声が挙がるのも、この季節の風物詩だ。

夕方、祭りの開始時間が近づくと人がさらに増え、町は多くの観光客で溢れかえる。運行コースの沿道では立ち見も可能だが、落ち着いてしっかりとねぶたの雰囲気を堪能したいなら事前に席を予約しておくことをおすすめする。パイプ椅子席と桟敷席があり、場所によって見え方が違う。ねぶたの回転を披露してくれるポイントなどもあるので、事前にベストポジションを確認しておこう。

徐々に周囲が暗くなってくると、内側から煌々と照らし出された巨大なねぶたが暗闇に浮かび上がる。やがて時間になると、笛や太鼓などのお囃子とともに、大きなねぶたが動き出す。色鮮やかに光を放つねぶたは息を吹き込まれたかのようにいきいきと動き、その躍動感は圧巻だ。

力強く太鼓をたたく人々

迫力のある侍の表情やおどろおどろしい鬼の顔、美しい天女の滑らかな絹の動きなど、美しいねぶたの細部まで注目していただきたい。運が良ければ担ぎ手たちが観客席の目の前まで迫り、巨大なねぶたが間近で前後にうねる姿が見られることも。その勇壮な動きは迫力満点だ。

ねぶたを盛り上げる重要な要素のひとつに、跳人(ハネト)と呼ばれる踊り子たちがいる。「ラッセラー、ラッセラー」の掛け声とともに跳ねながら、ねぶたについて乱舞する人たちだ。実はこの跳人、一般人も参加できることをご存知だろうか。正装すれば誰でも自由に参加が可能だ。跳人の正装は浴衣にカラフルなタスキや腰巻を着け、頭には花笠をかぶる。衣装は町なかの店で購入またはレンタルで揃えることができるので、ぜひ一度は体験してみよう。

旅行雑誌、情報誌の編集者兼ライター。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。