ペルー旅行では外せない! ナスカの地上絵はツアー参加が便利
- 2019.11.20
- ペルー/Peru
ペルー旅行の見どころの一つとして欠かせないのが、ナスカの地上絵。ペルーの首都リマから約400キロ南の砂漠地帯に刻まれた、巨大な地上絵だ。紀元前後〜800年頃、この辺り一帯では人々が暮らし、ナスカ文化が栄えていた。ここに住む人々が大平原に何百もの直線を引いて作り上げたのが、上空からしか分からないほど巨大な動植物の絵。この巨大な絵は一帯何を意味しているのだろうか。
今も謎に包まれたままの地上絵
地上絵は10メートルぐらいのものから、大きいものでは300メートルにも及ぶ。動植物のような形をともなった絵は30個ほどで、それ以外にも不可解な線が300本ほど描かれている。これらの線がどのように描かれたかというと、地面の小石を取り除いて明るい地肌を露出させるという、いたってシンプルな方法だ。雨がほとんど降らない乾燥した気候のため、何百年もの間、その姿が消えることなく残ったのだと考えられる。
これらの地上絵がなんのために作られたのか、どんな意味があるのかは謎に包まれており、今も多くの考古学者が解明に向けて研究を進めている。雨乞い儀式のためという説やカレンダー説、天体観測説、権力者の埋葬のためという説などさまざまな説が唱えられているが、いまだ定説は存在していない。
ナスカの地上絵は、ここからやや北にあるパルパという町で発見された地上絵と併せて、世界文化遺産に登録されている。また、2019年11月には、ナスカで新たに140点以上の地上絵が見つかった。発見したのはなんと、山形大学の研究グループだそうだ。見つかった膨大な地上絵は古代文明の新たな手がかりとして、現在注目を浴びている。
リマからナスカを訪れるツアー
ナスカへアクセスする方法はすべて長距離バスとなる。リマからは6・7時間、パラカスからは約4時間、イカからは約2時間。また、地上絵を見るためにはナスカでセスナによる遊覧飛行ツアーに申し込む必要がある。もっとも利用しやすいのは、リマ発着の日帰りツアーに参加すること。ホテルの送迎を含め、移動や昼食、地上絵の遊覧飛行まですべて含まれているので、個人で手配する必要が省ける。
ただし、セスナでの遊覧飛行はその日の天候によって決行かどうかが左右される。その点、リマなどからツアーに参加するよりも、ナスカに滞在するほうが天候によってフライト時刻を決められるメリットがある。
リマ発着のツアーを利用する場合、早朝6時頃に出発し、ナスカに到着するのはお昼前後。ナスカ空港でチェックインし、荷物検査やナスカの歴史を知る動画鑑賞をした後、いざ遊覧飛行へ!
飛行時間は35〜40分ほどで、10点ほどの地上絵をセスナで回る。パイロットは全員がすべての地上絵を見られるように右に左に飛んでくれるので、どの席に座っても問題ないだろう。ただし、意外と高めの高度で飛行するため、小さな地上絵は見つけるのに時間がかかることも。各ポイントでパイロットが声をかけてくれるので、見逃さないようにしっかりと目を懲らして探してみて。ちなみにツアーはスペイン語か英語のみ。
地上絵鑑賞が終わると、少し遅めのランチへ。ペルー料理は日本人の口にも合うものが多い。ツアーによっては、ナスカまでの道すがらに位置するイカという町のオアシスの村・ワカチナに立ち寄ってくれる場合もある。このワカチナは砂漠に囲まれた小さな村で、リゾート地としても人気。湖を囲むようにホテルやレストランなどが立ち並び、ちょっとした優雅な時間を楽しめる。砂漠を駆け回るバギーやサンドボードといったアクティビティもおすすめ。
リマに帰ってくるのは夜の20〜22時頃。まさに丸一日のツアーとなる。
遊覧飛行の注意点
酔い止め薬は必須!
ナスカの遊覧飛行では、小さなセスナでアクセスするので天候によっては機体がかなり揺れることもある。また、窓から地上絵がよく見えるようにとパイロットが機体を右に左に傾けて飛行するため、大半の人は間違いなく気分が悪くなる。かくいう私も、普段は車酔いや船酔いをしないタイプだが、このセスナ飛行だけは吐く寸前くらいまで気持ち悪さマックスになり、後半は地上絵鑑賞どころではなかった(私の前に座っていた人は吐いていた……)。
酔いやすい人はもちろんだが、普段酔わない人も、遊覧飛行の前に酔い止め薬を飲むことをおすすめする。また、遊覧飛行の前に食事を取らないこと。ツアーに参加する場合、ほとんどの行程でセスナ遊覧の後に遅めのランチが設定されている。ちなみに機内にはエチケット袋も備えられており、実際に吐いてしまう人がかなりの数いることが予想される。
いろいろな場合に備えて事前準備をしっかりしておけば、楽しい旅になること間違いなし!
リマからの主なツアー
ミッキーツアー(日本語):www.mickeytourperu.com
ダイニチトラベル(日本語):dainichitravel.com
Nazca Flights(英語):www.nazcaflights.com
旅行雑誌、情報誌のフリー編集者兼ライター・フォトグラファー。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。世界遺産検定1級所持。
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