ペルーの首都リマで訪れるべき観光スポット
- 2019.11.10
- ペルー/Peru
ペルーの首都リマは、国中から人々が集まる活気溢れた大都市。ペルーの空の玄関口、ホルヘ・チャベス国際空港があるため旅行者は必ず立ち寄る場所だ。スペイン植民地時代の面影を残す美しい旧市街をはじめ、最近発展してきたモダンなエリアなど、見どころは数多い。そんなリマの訪れるべき観光スポットを紹介する。
スペイン文化が色濃く残るリマ
16世紀、スペインから海を渡ってやってきた征服者、フランシスコ・ピサロによって、この地で栄えていたインカ帝国は滅亡した。ピサロは南アメリカの植民地支配を進めるために、スペインと連絡の取りやすい海岸沿いに位置するリマを拠点とした。この町は当時、政治・経済の中心として南米一栄えた場所だったのだ。
インカ帝国が所持していた莫大な金銀財宝を手にした征服者たちは、あちこちに贅を尽くした教会や建築物を建てた。リマの旧市街には当時の建築物群が今なお残っており、植民地時代の栄華を伝えている。その美しい町並みは「リマ歴史地区」として、世界文化遺産にも登録されている。
旧市街(セントロ)地区の見どころ
アルマス広場(Plaza de Armas)
旧市街の中心にあり、市民の憩いの場にもなっている場所。広場を囲むように、周囲には大統領府や大聖堂、コロニアル様式の建築物が立ち並ぶ。大統領府は、元はフランシスコ・ピサロが邸宅としていた宮殿。正面には見張りに立つ衛兵がおり、正午になると観光の一つとなっている交代式が見られる。普段は立ち入りができないこの宮殿、実は毎週末に無料のガイドツアーが行われており、豪華なあしらいの内部を見学できる。
大聖堂(Cathedral)
アルマス広場に向かって建つ大聖堂は、フランシスコ・ピサロがみずから礎石を置いた建築物で、ペルーでもっとも古い教会。金銀や美しい彫刻を施した祭壇はみごとなもので、壁には宗教画や歴代のインカ帝国皇帝の肖像画などが飾られている。また、本物かどうかは定かではないが、内部に安置されているピサロの遺体とされるミイラも必見だ。
サン・フランシスコ教会(Basilica Y Convento de San Francisco)
100年以上かけて建てられたモザイク建築の教会。メインの教会をはじめ、15のチャペルや幾何学模様に掘り出された木製のドーム天井、中庭を囲む回廊に施された美しいタイル、触れたら崩れてしまうほど古い書籍が並んだ美しい書庫など、どこもかしこも豪華。一番の見どころは、カタコンベ(地下墓地)だ。2万5000もの骨が並ぶ様子は圧巻。見学できるのは地下1階のみだが、さらに地中深くにも骨が眠っているらしい。
サント・ドミンゴ教会(Basilica and Convent of Santo Domingo)
過去に幾度と起こった大地震にも耐え、植民地時代に建てられた教会の中でも特に保存状態がいいとされている。中庭を囲む回廊には、「1606」と日付の残るスペイン製の美しいタイルの壁が残っているので、ぜひ見てほしい。この教会には高い塔があり、螺旋階段を上りきると、リマの町を360度一望できる。
ラ・メルセー教会(Church of La Merced)
アルマス広場から南へと伸びる繁華街、ラ・ウニオン通り沿いに建っている教会。緻密に掘り出されたスペイン・バロック様式の外観は特に美しい。ちなみに、ラ・ウニオン通りは旧市街のメインストリートなので、カフェやアイスクリームショップなどに立ち寄りながらの散策がおすすめ。
新市街にも足を伸ばして
サン・イシドロ地区
旧市街の南側に位置する地域で、高級ホテルやレストラン、百貨店などが立ち並ぶ。治安の良いエリアなので、観光の拠点として人気がある。町の外れでは、紀元前からインカ文明に至るまで墓地として利用されていた、ワカ・ワジャマルカと呼ばれる遺跡も見られる。
ミラ・フローレス地区
サン・イシドロ地区よりもさらに南、海岸沿いに発展した高級住宅街。ラルコ通り周辺にはカフェやデパート、レストランが立ち並び、ショッピングにおすすめ。複合施設ラルコ・マールで優雅な時間を過ごしたり、海岸へと続く恋人たちの公園でロマンチックな夜の散歩に出かけたり、落ち着いた滞在時間を過ごすならこのエリア。
空港から中心街へのアクセス
ホルヘ・チャベス国際空港からセントロ地区までは約12キロ、ミラ・フローレス地区までは約16キロ。移動手段はタクシーかシャトルバスになる。
タクシーはランクによって値段が異なり、ミラ・フローレスまでは40ソル〜100ソル。空港を出た所にいる客引きタクシーは一番安いが値段交渉が必要で、高額をふっかけてくるドライバーもいるので注意が必要だ。空港内のカウンターで申し込むタクシーはやや高めだが、値段が決まっており、車も高級車なので安心。
滞在日数、宿泊エリア
旧市街や新市街など、リマ市内だけの観光であれば、1日でも十分回れる。ナスカなど、周辺地域への日帰りツアーに参加するなら2〜3日は見ておこう。
リマの宿泊エリアは、主に旧市街かサン・イシドロ、ミラ・フローレスの3地域。旧市街での観光をメインにするならアルマス広場周辺のホテルがおすすめだ。ただし、旧市街はストリートによっては危ないエリアもあるので、散策する際には注意が必要。サン・イシドロとミラ・フローレスは治安が良いので安心感がある。海岸のリゾート感を楽しみたいなら、ミラ・フローレス地区に泊まろう。
旅行雑誌、情報誌のフリー編集者兼ライター・フォトグラファー。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。世界遺産検定1級所持。
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