これを知っていれば安心! マチュピチュの行き方と観光のポイント

これを知っていれば安心! マチュピチュの行き方と観光のポイント

ペルーの山深い奥地にひっそりと佇む空中都市「マチュピチュ」。誰もが一度は行ってみたいと憧れる、人気の観光スポットだ。マチュピチュを訪れる計画を立てる際に、いくつか気をつけておくべき点がある。ここでは事前に確認しておくと良いことから観光する際のポイントまで、分かりやすく紹介する。

世界遺産マチュピチュのココがすごい!

16世紀前半、スペイン人征服者によって王が捕らえられインカ帝国が滅びると、インカ軍たちはジャングルの奥地へと逃れ、細々と生活を続けた。インカ帝国が制圧され、都市がことごとく破壊されても、インカ軍以外の誰も知ることのないマチュピチュだけは無傷のまま残されたのだ。

マチュピチュが再発見されたのは、インカ帝国の滅亡からおよそ400年経った1911年7月24日。アメリカの歴史学者ハイラム・ビンガムが、古い記録を元にインカ帝国最後の都市とされる幻のビルカバンバを探して急峻な山をよじ登ったところ、山の上に広がるこの遺跡を見つけたそうだ。

当初、このマチュピチュが伝説に残るビルカバンバだと考えられていた。しかし、インカの人々が隠したとされている黄金などの財宝が見つからなかったことから、現在はでビルカバンバはさらに奥地にあるとされている。

しかし、たとえ探し求めた幻の都市ではなかったとしても、スペイン人征服者が徹底的に破壊し尽くしたなか、これだけきれいな状態で残っているマチュピチュ遺跡は奇跡に近い。その文化的価値が認められて、現在は世界遺産に登録されている。

マチュピチュ観光のポイント

マチュピチュを観光するには2つの方法がある。一つはツアーガイドをつけて案内してもらう方法、もう一つは個人で見て回る方法だ。

おすすめは、ツアーガイドをつけて回る方法。ガイドはこの遺跡のことを知り尽くしたプロなので、インカ帝国の歴史やマチュピチュが築かれた背景、遺跡内のハイライトなどを、分かりやすい解説とともにくまなく案内してくれる。奥深いマチュピチュの魅力を知れば、観光がより楽しくなること間違いなし!

ガイドツアーは当日、現地で申し込みを。遺跡のエントランス付近ではたくさんのツアーガイドが声をかけてくるので、値段交渉をしよう。一人の場合は60〜100ドルほどかかるが、ガイドを探している観光客を見つけて5〜6人のグループで回れば、一人20ドルほどで安くなる。

個人で見て回る場合は、ガイドブックを持参しよう。マチュピチュの最新観光情報や遺跡の解説などが詳しく書かれたガイドブックがあれば、個人でも十分楽しく観光ができる。

気をつけて欲しいのが、遺跡内では決められた観光ルートを歩かなければいけないということ。道順を示す目印に沿って歩けばいいのだが、ルートはすべて一方通行。一度通り過ぎたエリアへは、二度と引き返すことができない。遺跡内では至る所にスタッフが立っており、順路を逆走しようものならピピピーッと注意される。くれぐれも、観光ポイントを見逃さないように注意しよう。

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チケットの購入方法

マチュピチュを訪れる場合、事前に入場チケットを購入しておく必要がある。チケットは公式ホームページ(https://www.ticketmachupicchu.com)からオンライン決済で購入できるほか、マチュピチュ村やクスコのオフィスでも購入できる。ただし、繁忙期は早めに売り切れてしまう場合もあるので、旅行の日程が決まったらオンラインで申し込むことをおすすめする。

マチュピチュのチケットは、①マチュピチュ遺跡のみ、②マチュピチュ遺跡+ワイナピチュ山、③マチュピチュ遺跡+マチュピチュ山の3種類。

ワイナピチュ山は、写真などでマチュピチュ遺跡の後方に必ずと言っていいほど写っている山だ。約1時間かけて細く急な上り坂や岩山などを登って頂上まで行くと、遺跡全体を見渡せる絶景が広がる。少しハードな登山となるが、そう何度も来られる場所ではないので、時間とお金をかけてでも行く価値は十分ある。

ワイナピチュ山の入山は時間が決まっており、午前7時と11時の2回のみ。おすすめは、まだ人が少なく空いている7時の回。登山道はかなり道幅が狭いので、11時の回に入山すると先に登った人たちの復路と重なってさらに歩きづらくなる。7時の回ならすれ違う人もいないので、余裕をもって登れるはず。ワイナピチュ登山は1日400人までと人数制限があり人気が高いので、チケットが売り切れる前に早めに購入しよう。

マチュピチュ山は、ワイナピチュよりもさらに高い山を1時間半〜2時間かけて登るコース。ワイナピチュ山よりもなだらかで歩きやすい道が続くので、自分のペースで自然を楽しみながら登ることができる。ワイナピチュよりも遺跡から離れているので頂上からの眺めも少し遠いが、大自然に囲まれた遺跡の景色は心に残る思い出になるはず。

マチュピチュ山の入山時間は午前7時と9時の2回。こちらは人数制限はない。

マチュピチュへの行き方

クスコからマチュピチュへの行き方にはいくつか方法がある。

①クスコ−ポロイ−マチュピチュ村
クスコから車で15分ほどのポロイという町には、ペルーレイルという列車の発着駅がある。この列車に乗ると、4時間ほどかけてのんびりゆったりとマチュピチュ村まで行くことができる。クスコからポロイまではコレクティーボ(乗り合いタクシー、3〜5ソル)またはタクシー(30〜40ソル)で。

列車代は片道65ドルからで、3つの異なるランクから選ぶ。最上級のハイラムビンガム号は、ディナーやラウンジ車両が付いた豪華列車。一番安い列車でもスナックとドリンクが付き、大きな窓のパノラマ列車で車窓からの眺めを楽しめる。

②クスコ−オリャンタイタンボ−マチュピチュ村
オリャンタイタンボという町からも、マチュピチュ村までインカレイルが走っている。こちらのほうが便数も多く、価格も少し安い。クスコからオリャンタイタンボ、オリャンタイタンボからマチュピチュ村まではそれぞれ約2時間。クスコからオリャンタイタンボまでは、コレクティーボ(10ソル)かバス(20ソル)で行くことができる。

少しでも安く行きたいけど安全な交通機関も譲れないという場合は、①よりも安いこのルートがおすすめ。インカレイルの運賃は52ドルから。季節や時間などによって変動し、フードメニューやカクテルなどのサービスがついたファーストクラスもある。

③クスコ−水力発電所−マチュピチュ村
バックパッカーが憧れる、1番安くて1番ハードなルート。クスコから約8時間かけてマチュピチュ村のすぐ近くの水力発電所までバスで行き、そこから3時間ほど歩いてマチュピチュ村まで行く。水力発電所からマチュピチュ村までは線路沿いを歩くため、「スタンドバイミーコース」とも呼ばれているのだとか。

水力発電所までのバスは、現地のツアー会社や旅行会社で申し込む。片道35ソルほど。交通費はこれだけなので、格安で行けることはお分かりだろう。行きはこのルートで行って、帰りは列車でクスコまで帰ってくるという方法もある。

マチュピチュ村の散策もおすすめ

マチュピチュ遺跡へと行く際の拠点となるのが、アグアス・カリエンテス、通称マチュピチュ村。ここはホテルやレストラン、みやげ物店が充実しており、散策におすすめだ。また、この地には温泉が湧いており、温泉プールで疲れた体を癒やすこともできる。

列車の発着地点となっているマチュピチュ駅を出てすぐのところにあるのが、民芸品市場。カラフルな織物の雑貨やアルパカの毛で作った製品、民芸品など、ペルーらしいみやげ物がところ狭しと並んでいる。また、村の中央を流れるアグアス・カリエンテス川の両側にもペルー料理のお店やブティックなどが軒を連ねる。

安いホステルから小洒落たホテルまで宿泊施設も充実しているので、マチュピチュ遺跡を訪れるならここで1泊するといいだろう。なお、マチュピチュ遺跡までは、村内のバス停から片道30分ほど。