神々のふるさと・出雲で縁結びめぐり

神々のふるさと・出雲で縁結びめぐり

古来、日本で語り継がれてきた神話の舞台である出雲には、神聖な空気が漂うさまざまなパワースポットが点在している。なかでも多いのが、縁結びに関するスポット。ここでは多種多様なご縁を運んでくれる、出雲の訪れるべきパワースポットを紹介する。

 

絶大なパワーを誇る出雲大社


まずは縁結びの代表格である出雲大社へ。神話の国・出雲を象徴するこの神社は、日本最古の歴史書ともいわれる『古事記』にもその創建が記されているほどの古刹だ。主祭神は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。この地で国づくりを行なったオオクニヌシノオオカミが、高天原に住むアマテラスオオミカミに国を譲った(神話「国譲り」)際に造営された天日隅宮(あめのひすみのみや)が、現在の出雲大社ともいわれている。

旧暦の10月には全国の八百万の神々がこの出雲大社に集まって、農業や男女の縁結びについて話し合う「神議り(かみはかり)」が行なわれる。そのため日本各地では神が留守になることから神無月と呼ばれるが、ここ出雲では神在月と呼ばれるのだ。日本中の神々が集まるこの神在月のパワーにあやかろうと、出雲大社にはこの時期、縁結びの祈願に多くの観光客が押し寄せる。

ここでは、出雲大社の基本的な参拝方法を紹介しよう。まずは最初の関門である鳥居。鳥居は神様の家の玄関のようなものなので、お邪魔しますという気持ちをこめて、くぐる前に必ず一礼しよう。中へ入ると、参道には立派な松並木が本殿へと伸びている。江戸時代の初めに整備されたこの並木道の松は、古いものでは樹齢350〜400年ほどだそう。美しく厳かな並木道もゆっくりと歩いて神聖な空気を感じてみよう。

参道を奥へ歩いていくと、右側に祓社(はらえのやしろ)という小さな社がある。本殿に行く前にここで心身を祓い清めよう。さらに奥へと進むと、左側に手水舎が出てくるのでここで手を清めたら拝殿へ。出雲大社には独自の参拝方法がある。一般的には二礼二拍手一礼とされているが、ここでの正式な参拝作法は二礼四拍手一礼。拝殿以外の、先ほどの祓社などの参拝場所もすべてこの作法となるので、忘れないように。

拝殿での参拝が済んだら、奥の御本殿へ。御本殿は塀で囲まれており、通常は中に入ることはできない。ただし、正面の門からはその姿を拝むことができ、門の手前にはお賽銭箱も設置されているのでここで参拝を。

正面の門からは御本殿が見られる

これでメインのお参りは完了だが、出雲大社の見どころはこれだけじゃない。大注連縄で有名な神楽殿や、神在月に全国から集まった神々が宿所とする十九社、撫でれば子宝に恵まれるといわれる銅製の神馬神牛像、手水舎のそばにある縁結びの碑など、歩けば歩くほど奥が深い出雲大社。時間があれば、隅から隅まで散策してみるといいだろう。

ずっしりと大きな神楽殿の大注連縄
馬と牛の顔をさすると、子宝に恵まれるのだとか

未来のご縁を占う八重垣神社


出雲市の隣、松江市に位置する八重垣神社も縁結びとして名高い神社。主祭神はヤマタノオロチ退治で有名な素盞嗚尊(すさのおのみこと)とその妻・稲田姫命(いなたひめのみこと)だ。ヤマタノオロチをみごと退治したスサノオノミコトはイナタヒメを妻として迎え、ここ八重垣の里で幸せに暮らしたという伝承がある。これが日本で初めての結婚だったということもあり、八重垣神社は結婚発祥の地として、また夫婦和合と縁結びの象徴として栄えてきたのだそう。

まずは本殿で参拝を済ませた後、周辺の縁結びスポットへ。境内には子宝御神木や夫婦椿など、男女の仲に関わるスポットがある。なかでも人気なのが鏡の池。ここではユニークな方法で縁を占うことができる。社務所でいただいた占い用の半紙に10円玉か100円玉を乗せて池に浮かべると、水に濡れた紙にこれからの運のお告げの言葉が浮かび上がる。さらに、池に浮かべてからコインの重みで紙が沈むまでの時間と沈んだ位置によって、これからの縁を占えるというものだ。なかなかおもしろいので、ぜひ挑戦してみよう。

沈むまでの時間が出会いの時期を、位置が自分と相手との距離感を示す

町を歩いて縁結びスポットをめぐる、玉造(たまつくり)温泉


松江市街地から少し南に位置する玉造温泉は、日本最古級の温泉地。『出雲國風土記』には「1度入浴すれば肌が若返るようになり、2度入浴すればどんな病も治癒してしまう」との記述が残っており、地元の人々からは「神の湯」「姫神の湯」などと称され親しまれている。

玉造温泉には玉湯川という川が流れており、その川に沿った形で左右に温泉街が広がる。この町なかにも、多数のパワースポットが点在しているのだ。このエリアは古くから、メノウの産地として栄えてきた。そのため勾玉の製造が盛んで、川に架かる橋やマンホールなど、町のあちこちに勾玉のシンボルを見ることができる。玉湯川で探していただきたいのが、「幸せ青めのう」。川のどこかに勾玉の形をした小島があり、この中央に置かれた青いメノウ石に触ると幸せになれるのだそう。

町の中程にある湯薬師広場では、こんこんと温泉が湧き出ている。ここの湧き水は持ち帰ることができ、化粧水として使うと美肌になるといわれているので女性に人気。

また、川沿いにある小さな東屋のようなスペースは「恋来井戸(こいのくるいど)」と呼ばれるスポット。ここで売っている餌を川に投げ入れて、コイが寄ってくれば恋が叶うのだそう。とってつけたようだけど、試してみるのもいいのでは。

餌を放ってコイが寄ってくれば恋が叶うといわれる「恋来井戸」

温泉街の奥に進むと、赤い橋と、その背後に鳥居が見えてくる。赤い橋は宮橋と呼ばれ、その奥にある玉作湯神社へと続く。この橋は「恋叶橋」という別名もあり、ここから撮った写真の背景に神社の鳥居が入っていれば、恋が叶うのだという。

玉作湯神社もまた、願いが叶う神社として人気のパワースポット。境内にはパワーが宿った玉石という大きな石が祀られている。まずは社務所で「叶い石」と呼ばれる小石とお守り袋をいただき、叶い石を玉石に触れさせてパワーをもらう。それをお守り袋に入れて身につけると、願いが叶うといわれているのだ。

 

強いパワーがあちこちに宿る出雲の国。神々の力を感じに訪れてみてはいかが。

旅行雑誌、情報誌の編集者兼ライター。人種や文化の違いに興味があり、世界中の国々を旅行しては、その地で見た美しい風景や人々、おもしろいと感じたものを写真に収める。