多文化が融合した古い町並みが広がる、サンタフェ探訪

多文化が融合した古い町並みが広がる、サンタフェ探訪

一歩足を踏み入れると、アメリカとは思えないエキゾチックな町並みが広がるサンタフェ(Santa Fe)。ここは先住民であるネイティブ・アメリカンの文化をはじめ、植民地時代のスペイン文化、隣国のメキシコ文化などさまざまな文化の融合が見られる独特な町だ。

サンタフェはニューメキシコ州の北部に位置する州都。アメリカで2番目に古い町であり、ニューメキシコ州では最古の町として知られている。特筆すべきはその町並み。この地を訪れてまず目に入るのは、まるで異国に来たかのような赤土の日干しレンガでできた建築物群。これらの家々はネイティブ・アメリカンであるプエブロ族が作り出した建築様式で、この辺りでは今もプエブロ族が生活を営んでいるのだ。

かつての総督邸だった建物

 

プラザ周辺でショッピング


サンタフェの中心街となるのが「プラザ(Plaza)」と呼ばれる広場。ここはスペインの植民地だった時代に総督府が置かれていた場所で、プラザはスペインの町づくりをそのまま模したものだ。現在は色とりどりの手づくり雑貨や軽食の露点が並び、広場の中央ではラテンらしい楽器で音楽を奏でる人々や踊りを披露する人と、それを眺めながらのんびりと過ごす観光客などで賑わっている。

訪れた日は結婚式が開催されており、新郎新婦とゲストたちが列をなしていた

 

広場の向かいにある平屋の建物には“Palace of the Governor”の文字があり、ここがかつての総督邸だったことが分かる。総督邸の屋根の下では、プエブロ族が手作業で作ったアクセサリーや置物、雑貨などを売るマーケットが毎日開催されている。ターコイズや赤石を使ったアクセサリーに民芸品などがシートの上にところ狭しと並べられ、多くの人々がショッピングを楽しむ一大観光スポットとなっているので、おみやげやギフトにおすすめだ。

たくさんの観光客で賑わうマーケット
きれいなネックレスやピアスなどが並び、作家とコミュニケーションを楽しみながら買い物ができる

 

プラザを中心とした周囲にはネイティブ・アメリカンや中南米の品物を販売するショップのほか、高級ブティック店やアートギャラリーなど、この地ならではの色とりどりの路面店が軒を連ねる。あちこち店を覗きながらショッピングを楽しもう。

目の覚めるようなカラフルな商品が多く、見ているだけでワクワク

 

美術館やチャペルで文化を学ぶ


ジョージア・オキーフ美術館

サンタフェには文化的スポットも多数点在している。現代アートを楽しめる「ジョージア・オキーフ美術館(Georgia O’Keeffe Museum)」のほか、「ニューメキシコ歴史博物館(New Mexico History Museum)」「ニューメキシコ美術館(New Mexico Museum of Art)」などはプラザ周辺にあるので歩いてめぐろう。

南東へと延びるOld Santa Fe Trailを3キロほど行ったところには「国際民芸芸術博物館(Museum of International Folk Art)」「インディアン・アーツ&カルチャー博物館(Museum of Indian Arts & Culture)」「スパニッシュ・コロニアル・アート博物館(Spanish Colonial Art Museum)」やボタニカルガーデンなどもあるので、ニューメキシコの歴史や文化を学びたい人にはうってつけの観光スポットだ。

 

また、サンタフェを代表する有名なチャペルも見逃せない。プラザから東へ3分ほど歩いたところにある聖フランシス大聖堂(St. Francis Cathedral)は、コロニアル様式のカトリック大聖堂。アドビ建築の町並みにそびえる西洋建築は人々の目を惹き、町のランドマークにもなっている。堂内では美しいステンドグラスやアーチ天井を見ることができ、祭壇に祀られているマリア像はアメリカ最古ともいわれている。

St. Francis Cathedral

 

そこから少し南へ歩くとロレット・チャペル(Loretto Chapel)というゴシック建築の教会がある。ここでは“奇跡の階段”と呼ばれる螺旋状の階段を見ることができる。この螺旋を描く階段には支柱がまったくなく、誰がどんな木材を使ってどのような構造で作ったのかが解明されていない。

伝説によると、2階に上るすべがなく困っていたところに一人の男が現れ、数カ月で螺旋階段を完成させて去って行ったといわれている。シスターたちは、日々祈りを捧げた聖ヨセフの仕業だろうと結論づけたが、当時にしては革新的だったこの階段の構造は、今もミステリーを残したまま。

柱も釘もない、不思議な螺旋階段

 

さらに南へと進むとアメリカで最古の教会とされる、1610年に建てられた聖ミゲル教会(San Miguel Church)がある。また、その脇道に入ると、現在はブティック店が営まれているアメリカ最古の家も。こうして散策すると、サンタフェがいかに古い町であるかを実感できる。

アドビ建築のSan Miguel Church
アメリカ最古といわれる家

 

キャニオン・ロードでアートに浸る



サンタフェには約250ものアートギャラリーがあることをご存知だろうか。実はこの町、美術品の取引量がパリやニューヨークに次ぐほどのアートの一大産地。とくにキャニオン・ロード(Canyon Road)と呼ばれる小径は、1キロほどの道沿いに絵画や彫刻、ユニークなオブジェなどのギャラリーが立ち並び、アート好きにはたまらないスポット。

ギャラリーには誰でも気軽に入れるうえ、作品を野外に展示しているところもあるので、ぶらぶらと歩いているだけでも楽しめるだろう。作品の値段もピンキリなので、気に入った作品があれば購入してみては。

かわいらしいオブジェが並ぶ小径も

 

古き歴史と他国文化、そして現代アートなど、多種多様な魅力が詰まったサンタフェ。陽気な笑い声や音楽が溢れ、訪れた人々を温かく迎えてくれるこの町は一生に一度は訪れたいすてきな場所だ。