アメリカで運転免許取得 – DMVの試練 –

アメリカで運転免許取得 – DMVの試練 –

アメリカで生活するうえで欠かせないのが運転免許。ニューヨークやシカゴの中心街などほんの一部の都市を除いて、アメリカでは車が生活必需品だ。かくいう私も、通勤はもちろん、買い物に行くにも外食するにも公園に行くにも、どこに行くにも車がなければ行くことができない。一歩外に出れば、まずは車に乗り込む。

電車もバスも通っておらず、あるとしても1時間に1・2本程度。自転車で買い物に行くにも一番近くて20〜30分ほどかかる。そもそも、町なかには歩行者や自転車で移動する人などほとんどいないので、歩いているとそれはそれは目立つ。ましてや女の子が一人で歩いているといろんな意味で危ないので、アメリカ生活には一に車、二に車、だ。

日本で運転免許を持っていれば、渡米する際に国際免許を持ってくるだろう。しかしアメリカでは州毎に居住者の法律が決まっており、カリフォルニア州法では「住居を定めた日から10日以内に州政府が発給した運転免許証を取得しなければならない」とある。これは州外から転入してきた人にも適用されるので、カリフォルニア州に移り住んだ人すべてが対象となる。

とはいえ、日本から渡米して10日以内に運転免許証を取得するのは大変なので、しばらくは国際免許でも問題ない。ただし、できる限り早めに運転免許証を取得する努力をしなければならない。

 

 

免許取得はDMV

アメリカでの運転免許取得の試験や手続きはすべて、DMV(Department of Motor Vehicle)で行われる。DMVのオフィスは大きい町なら必ずあるので、ネットで調べてみよう。免許取得の流れは日本とほぼ同じ。学科試験と実技試験に合格すれば暫定免許証を入手でき、身分証明が完了したら正式な免許証が発行される。

試験の準備

まずは、Driver Handbookを手に入れよう。居住している州のDMVウェブサイトにいけばダウンロードすることができる。ハンドブックには交通ルールや州の法律など覚えておくべき事項が記載されているので、学科試験を受ける前にすべてに目を通しておくことが大切だ。確実に合格を目指すなら、模擬テストで慣れておくと良い。インターネットで検索すれば、日本語や英語で模擬試験を掲載しているウェブサイトが多数出てくるので、何度か解いておこう。試験の前日に1日勉強すれば、大抵は合格できるはず。

また、実技試験ではDMVオフィスの周辺を15〜20分程度運転することになる。道に慣れておくためにも、事前に受験場所の周辺を実際に運転してみると良い。

 

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予約から免許取得までの流れ

1.申請に必要なもの
ビザ保持者が運転免許の申請をする際には、以下の書類が必要となる。

・有効期限内のパスポートとビザ
・Form I-94(入国証明)
・Social Security Number
・Form I-20(FまたはMビザ保持者)またはForm DS-2019(Jビザ保持者)
・現住所を証明できる名前入りの公式な書類2通
・申請費37ドル

2.予約の取り方
DMVは毎日常に混み合っているので、試験は事前に予約しておいたほうが良い。当日飛び込みで行くこともできるが、丸1日待つことにもなりかねない。

事前予約はDMVウェブサイトからできる(カリフォルニア州在住の場合はこちら)。トップ画面の「Appointments」をクリック、「Office Visit Appointment」をクリックし、受験したいDMVオフィスを選択する。予約可能な日時が表示されるので、なるべく早い日程を選ぼう。「How many items would you like to process?」は「1 item」、「Select the reason(s) for your visit」は「Apply for, replace, or renew a REAL ID」にチェックを入れ、必要情報を入力してContinueをクリック。予約が完了したら、確認画面をプリントアウトして当日持参しよう。

3.学科試験の当日
当日、会場へは予約の20分前くらいに到着しておこう。DMVに着いたら、まず「Registration & Driver License Appointments」という看板がある列に並ぶ。学科試験を受けに来た旨を伝え、必要書類を提出して受け付けが完了すると整理券を渡される。自分の番号が呼ばれたら、まずは申請費(37ドル)の支払いを行い指紋を採取。そのあとは視力検査、証明写真の撮影を行い学科試験となる。学科試験はコンピューターで実施され、日本語も選択できる。ただし、日本語を選択するとときどき変な日本語が出てくるので、英語に慣れている人は英語で受けたほうが良いかもしれない。

合否の結果はその場で確認ができ、合格すると仮免許のようなペラペラの紙を渡される。これがあれば、免許取得者で1年以上の運転経験がある人を助手席に乗せれば仮免許で路上運転が可能だ。

4.実技試験の予約、当日
実技試験も事前にオンラインで予約をする。学科試験と同様、DMVウェブサイトのトップ画面から「Appointments」の画面に入り、「Behind-the-Wheel Drive Test」をクリックする。希望のDMVオフィスを選んで予約日時を選択し、「Automobile」にチェックを入れ、必要な情報を入力して予約完了。

実技試験では、以下の書類が必要となるので忘れずに持参しよう。

・Registration Card(車の登録証)
・Auto Insurance(車の保険証)
・仮免許証
・同行者の運転免許証

実技試験は日本と違い、試験で運転する車を自分で用意しなければならない。自分の車がまだない場合は、レンタカーや知人の車でも良い。なお、この段階ではまだ仮免許の状態なので、試験場へ行くには免許証を持っている人に同行してもらわなければならない。くれぐれも、自分一人で試験場へは行かないように。

試験当日、DMVに着いたら実技試験者用の受付に行き、まずは書類提出などを済ませる。この時、同行者も必ず一緒に受付しよう。受付が完了したら先方の指示に沿って車に戻り、Drive Testの待機場所へと車で移動して順番を待とう。自分の番が来たら、まずはエンジンを止める。同行人の付き添いはここまでとなるので、試験中はDMVオフィス内などで待機してもらおう。

まずは動作確認と指差し確認から始まる。試験官が指示を出すので、言われた通りに動作確認・指差し確認を行う。確認事項は以下の通り。

 

動作確認
・方向指示器
・ブレーキランプ
・ワイパー
・ハンドシグナル

指差し確認
・Emergency Light
・Defroster
・Emergency Break

動作確認では、試験官が「方向指示器を動かしてみて」「ブレーキを踏んでみて」などの指示を出すので、言われた通りに動作する。指差し確認では「イマージェンシーライトはどれ?」などと聞かれるので、それを指差して伝えよう。

一通りの確認が終わると試験官が助手席に乗り込み、いよいよ実車だ。試験官の指示通りに一般道を15〜20分ほど運転する。実車での指示は主に車線変更、バック、駐車。法定速度や信号確認、道路標識、歩行者の見落としなどに注意して運転しよう。

実車が終わると、その場でチェックシートの確認と結果が報告される。合格の場合はDMVオフィスに戻り、暫定免許証を受け取って完了。

本免許証取得

本免許証は早くて2〜3週間で届くが、人によっては3カ月、半年届かないなんていうことも。1カ月待っても届かない場合はDMVに電話して状況を確認することをおすすめする。暫定免許証には有効期限が記載されているが、もし期限内に届かない場合はDMVに行けば期限を延長してもらえる。