カリフォルニア州からテキサス州への移住が増加。その真意は?

カリフォルニア州からテキサス州への移住が増加。その真意は?

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ここ数年、カリフォルニア州から他州へリロケートする人々が増えているらしい。Census(アメリカの国勢調査)によると、2018〜2019年にかけて約20万人の人々がカリフォルニア州を去ったのだそうだ。

2010年頃からずっと、カリフォルニアから出て行く人数はカリフォルニアへ移住する人数よりも上回っている。原因は税率の高さ。所得税の高さと家賃の高さが、カリフォルニア離れを加速させている要因とされている。

カリフォルニアを去った人々がどこへリロケートしているかというと、1番のリロケート場所はテキサス州。カリフォルニアに続き2番目に人口の多い州であり、近年は目覚ましい経済成長速度で雇用水準が上がってきている。ちなみに、2番目に多いリロケート場所はアリゾナ州だそうだ。

この人口構成の変動によって影響を受けると予測されているのが、政治への打撃。アメリカは州によって共和党か民主党かがはっきり分かれているのは言わずと知れてた事実だ。カリフォルニア州は民主党寄りの州である一方、テキサス州は共和党支持率の高い州だ。

テキサス州は企業寄りの政策に支えられて、エネルギー産業の発展、自由貿易による輸出額の伸び、地域産業の高付加価値化など、今後の成長に注目が集まっている。これらの産業の好況が一つの要因となって、今、州外から多くの人々を引きつけているのだ。

全米2位の人口を誇るテキサス州にカリフォルニア州の民主派が流れ込めば、アメリカの政治が大きく変わることが予想される。

そんなニュースを最近テレビで見て、なかなかおもしろいと思った。

アメリカは二大政党が連邦議会議員や州知事のほぼすべてを独占しているためこういった事態が起こるのだが、日本はまったく違う。経済成長による住民の大移動というものが日本国内で起こることは考えられないし、それによって経済が大打撃を受けるという事態もなかなか起こらないだろう。二大政党制ではないので地域によって明らかに支持する政党が分かれることもないし、それによって国が二分されることもない。

国の仕組みによってこんなにも違うことが起こるのかと、とても興味深く感じたニュースだった。