大村線で北上。長崎県の大村・佐世保周辺めぐり

大村線で北上。長崎県の大村・佐世保周辺めぐり

日本海に面した九州の長崎県は有明海や大村湾など美しい海に囲まれ、無数の島々と半島からなる土地。海沿いには紺碧の海岸や岬など美しい光景が広がる一方で、内陸部は山々に囲まれ、工芸品などの伝統文化が根づく。また、古くから港町として世界の玄関口の役割を果たしてきたほか、歴史的にも重要な町として知られてきた。

グラバー園や平和公園のある長崎市内は観光地として人気が高いが、市外にも魅力的な観光スポットが数多く点在している。大村市から佐世保市にかけてはJR大村線が海沿いを走り、車窓の絶景を堪能しながら途中下車して観光を堪能できるのをご存知だろうか。ここでは、沿線や少し足を伸ばして訪れてもらいたい必見スポットを紹介する。

 

大村線で大村湾の絶景を満喫


諫早(いさはや)市の諫早駅と佐世保市の早岐(はいき)駅との間を、大村湾に沿って海岸線を走りゆく大村線。列車の片側の車窓からは陽光にきらめく大海原を、反対側の車窓からは山間に覗く山里などのノスタルジックな景色を見せてくれる。夕方になると列車の外はオレンジ色に染まり、その美しさは息を呑むほど。

大村線は、車両の少ない小さな列車。それでも沿線に広がる美しい景色を見ようと、鉄道ファンをはじめ多くの観光客が訪れる人気の路線だ。大村線のもうひとつの魅力は沿線の停車駅。昔懐かしい古い駅舎があったり、駅のすぐ向こうが海だったりと、思わず下車してみたくなるような駅がたくさんある。懐かしい気持ちにさせてくれる景色とはこのことをいうのだろう、と思わせてくれる沿線だ。

 

ハウステンボスでオランダ気分


長崎で最大規模のテーマパーク「ハウステンボス」も、大村線沿線だ。ここはチューリップや風車など、オランダの町並みが再現された巨大テーマパーク。園内にはヨーロッパ風の家々が連なり、四季折々の花畑を年中楽しめるほか、アドベンチャーパークやホラーゾーンなどのアトラクション、ミュージアム、イルミネーションできらめく夜景など見どころが盛りだくさんだ。

一度は経営破綻まで追い込まれたハウステンボスだが、季節ごとのフラワーフェスティバルや世界最大級のイルミネーションイベント「光の王国」、世界から一流のアーティストが集う音楽祭など数々の人気イベントを開催。また史上初のロボットが接客する「変なホテル」や日本最大のVRテーマパークなど、時代に合ったアトラクションも次々にオープンし、驚くほどのスピードでその人気を盛り返した。止まることを知らないその成長ぶりを見に、訪れてみてはいかが。

 

人気上昇中の波佐見(はさみ)焼をおみやげに


ハウステンボスから少し内陸に入った東彼杵(ひがしそのぎ)郡波佐見町で古くから受け継がれてきたやきもの・波佐見焼は、有田の下請け産地だったため長い間あまり知られていなかった。しかし今、そのモダンなデザインから国内外からも注目を集めるほどの人気ぶりだ。

町内の西ノ原という地区にある西ノ原工房は、約1500坪という広さの古い製陶所を改修した工房。「波佐見焼をもっと知ってもらいたい」との思いで数年前から若い職人たちが集まり、おしゃれなカフェや波佐見焼の雑貨店などを営むようになった。ここでは波佐見焼の製陶について学べるほか、モダンなデザインの波佐見焼の食器や雑貨などが販売されており、若い観光客にも人気があるという。ギャラリーのようになっている施設もあり、内部には奇妙なオブジェなども。

 

 

軍港の町・佐世保を散策


大村線は早岐駅までだが、せっかくだから佐世保線に乗り換えて佐世保の中心街も訪れよう。佐世保といえば、言わずと知れた軍艦の名所。ここには今も海上自衛隊やアメリカ海軍の基地があり、町を歩けばそこかしこで軍港の風情を堪能できる。

軍港たる姿を見たいのなら、佐世保造船所へ。佐世保重工業の施設として現在も稼働しているため内部には入れないが、かつては戦艦・武蔵も利用したといわれるドックなどは丘の上から見ることができる。付近には米軍基地や旧日本海軍が建てた赤レンガ倉庫群なども残り、歴史好きじゃなくても楽しめるだろう。これら海軍の足跡をたどるバスツアー「SASEBOクルーズバス 海風」なら効率よく回れるので、ツアーを利用するのもひとつの手。

 

多島美が広がる九十九島


佐世保の中心部から西へ行くと、無数の島々が浮かぶ九十九島へとたどり着く。佐世保港の傍から平戸まで約25キロの範囲に広がる、複雑に入り組んだリアス海岸だ。九十九島というからには99の島があるのだろうと思われがちだが、実際には大小208の島が存在する。「九十九」というのは、数え切れないほどの数を表しているそうだ。

人が住んでいる島は4島のみで、それ以外はすべて無人島。このエリアの80パーセント以上が自然海岸のまま保存されており、ほぼ全域が西海国立公園に指定されている。船越展望台からは多島美を間近に望むことができ、太陽の移動とともに刻々と変化する光景は一見の価値あり。夕日に照らされた島々も絶景だ。

 

歴史的スポットから自然美、アミューズメントパークまで、さまざまな楽しみが詰まった大村線沿線。新鮮な魚介類やビーフシチュー、佐世保バーガーなど、おいしいグルメも堪能しよう。