憧れの寝台列車「サンライズ出雲・瀬戸」で出かけよう

憧れの寝台列車「サンライズ出雲・瀬戸」で出かけよう

北海道新幹線や北陸新幹線など、日本各地をつなぐ路線が続々と開業してどこへ行くにも快適な列車旅ができるようになってきた日本。そんななか、姿を消しつつあるのが夜に出発し、朝に目的地へ到着する夜行列車だ。現在は運転本数が減ったり列車自体が廃止されたりと、世の中から姿を消しつつあるが、かつて長距離移動といえば夜行列車といわれていた時代には各方面へ多くの列車が運転され、車内で軽食や豪華なディナーを楽しめる食堂車なども連結されていた。

そして今も変わらず人々を夜の列車旅へと誘ってくれるのが、東京駅〜出雲市駅間・東京駅〜高松駅間をつなぐ「サンライズ出雲・瀬戸」だ。東京駅を14両編成で出発したサンライズは岡山駅で7両編成ずつに分割併合され、片方は「サンライズ瀬戸」として香川県の高松駅へ、もう片方は「サンライズ出雲」として島根県の出雲市駅へと向かう。

車両は全車2階建て。寝台タイプはA寝台とB寝台の2タイプに分かれる。A寝台はいわゆるデラックスタイプ。部屋には幅広のベッドと洗面台、テーブルが設置されており、ゆったりと過ごすことができる。B寝台にはコンパクトなベッドとテーブルがついたシングル、ベッドのみのソロ、1部屋に2つベッドがあるシングルツイン・サンライズツインがある。さらに格安で利用できるノビノビ座席なども設置されている。

予約する際におすすめしたいのが、上段の部屋。こちらは窓が天井側へとカーブしているため、星を眺めながらのロマンチックな旅ができるのだ。ノビノビ座席はカーテンの仕切りがあるだけだが、ベッドが設置された各個室は鍵がかけられるので、プライバシーが守られており女性のひとり旅でも安心。ベッドも寝心地が良く、夜の長旅を快適な時間へと導いてくれる。

シングル
ビールとつまみを手に窓を過ぎる夜景を眺めるのも一興

サンライズ出雲・瀬戸には食事が提供される食堂車や車内販売がないため、食べ物や飲み物は乗車前に購入しておこう。小さなスペースだが、車内にはテーブルと椅子が設置されたフリースペースがある。仲間たちと缶ビールを片手に語り合うなら、このスペースがおすすめ。ただし、共同スペースなので周りに迷惑をかけないようにしよう。

車内はきれいに整理されている

車内にはシャワールームも完備されている。まずは自販機でシャワーカードを購入しよう。シャワールームでカードを差し入れると、使用できる残り時間が表示される。使用時間は6分間。水を出していない時間はカウントされないので、上手に使いながらお風呂の時間を楽しんで。

夜の22時に東京駅を出発したサンライズ出雲・瀬戸は、ネオンに輝く都内の町を抜けてからは静かな暗闇の中をひた走る。翌朝6時半頃には岡山駅に到着。ここで行なわれるのが車両の分割だ。これが鉄道ファンの密かな楽しみとなっているのはご存知だろうか。一旦列車を降りて7号車と8号車の間へ行くと、駅員さんが分割作業を行なっている現場にちょっとした人だかりができる。せっかくサンライズに乗車したなら、この分割の瞬間も見物してみよう。

車両の分割作業の見物もサンライズの見どころ

また、鉄道ファンなら知っているであろう岡山駅でのもう一つのお楽しみが、駅弁だ。先ほども話した通り、サンライズでは車内販売を行なっていないので、朝ごはんを調達したいなら岡山駅がチャンス。売店は5号車付近にあるので、停車前にスタンバイしておくとスムーズだ。大人気の「桃太郎の祭ずし」のほか、タコめしや栗おこわなどがあり、事前予約も可能。岡山駅での停車時間は5分ほどなので、乗り遅れのないように十分ご注意を。

共有スペースで景色を見ながらの朝ごはんは格別

岡山駅に着いた頃には辺りもすっかり明るくなっており、車窓からはのどかな田園風景が望める。列車は田んぼや畑、民家の間を走り抜け、松江市にある宍道湖のわきを通り過ぎる。窓辺でのんびりと景色を堪能しながらの贅沢な旅ができるのも、寝台列車の醍醐味と言えるだろう。

岡山駅から出雲市駅までは3時間半ほど。 朝ごはんを食べ終わって一休みしたら、荷物をまとめて降車の準備を進めよう。午前9時58分、列車は出雲市駅に到着。約12時間の列車旅もとうとう終わりを告げる。駅のホームでは駅員さんが温かく出迎えてくれる。写真撮影にも応じてくれるので、記念写真をお忘れなく!