ヴァージニア州シャーロッツヴィルで歴史的建築物めぐり

ヴァージニア州シャーロッツヴィルで歴史的建築物めぐり

ヴァージニア州の中央に位置するシャーロッツヴィルは、自然豊かな田園風景が広がる町。人口4万5000人ほどの小さな町で、のどかでどこかひっそりとした雰囲気が魅力的だ。アメリカ屈指の名門大学であるヴァージニア大学の本拠地でもあるため学生が多く、アメリカの歴史を知るうえでも重要な地であるシャーロッツヴィルとはどんな町なのか、さっそく見てみよう。

 

 

トマス・ジェファソンゆかりの地

この小さな町を観光地たらしめる大きな理由となっているのが、トマス・ジェファソン。アメリカ独立宣言の起草者であり、第3代アメリカ合衆国大統領も務めたこの人物をアメリカで知らない人はまずいないだろう。シャーロッツヴィルはそんな彼が政界引退後に情熱を注ぎ、邸宅を構えて生涯の生活を愛した場所なのだ。

トマス・ジェファソンは政治家としてだけでなく建築家としても優れた才能を持っていた。実は、シャーロッツヴィルが “大学都市” として知られる由縁となったヴァージニア大学は、ジェファソンが設立したもの。また、「モンティチェロ」の名で知られている彼の私邸も彼自身が設計したものだ。

ジェファソンが手がけた建築物群に取り入れられているのは、ネオクラシック(新古典主義)様式。18世紀中頃にヨーロッパで興った古代ギリシャ・ローマの建築スタイルを復興させた様式だ。特徴としては、ローマ建築でよく見られる伝統的な柱の採用や直線的で左右対称の建築構造、装飾を抑えめにしたシンプルな美しさなどがある。

モンティチェロとヴァージニア大学は、古典建築や18世紀後半のヨーロッパ建築に対するジェファソンの熱心な研究成果がよく表れている。ネオクラシシズムへの多大なる貢献を示す傑作として、1987年にはこれらの建築物が世界文化遺産にも登録された。

モンティチェロ(Monticello)

シャーロッツヴィルの南東、木々に囲まれた丘の上にひっそりと建つモンティチェロは、1769年に建設が始まった。その後、再設計、増改築を繰り返して現在の完成形に至ったのは1809年。赤レンガ造りの建築の正面にはドーリア式円柱で支えられたポーチコ(玄関)が備えられ、その背景には白い立派なドーム天井が見える。左右対称の構造など、まさに古代ギリシャ・ローマ建築の特徴を示す造りだ。

邸宅内には35もの部屋がある。ダイニングや寝室、書斎、ジェファソンの私室などは、シンプルかつ美しく装飾されている。実はここモンティチェロではガイドツアーが実施されており、内部を見学することができる。スタンダードなツアーで見られるのは1階部分のみだが、ビハインド・ザ・シーン・ツアーに参加すると2階やドーム部分まで上がることも可能。ツアー参加にはウェブサイトから事前予約が必要だ。

モンティチェロはジェファソンの私邸であり、また大農園としての機能も持ち合わせていた。邸宅を囲むように広がる農園は5000エーカーにも及ぶ。ジェファソンは生涯で600人以上の奴隷を雇っていたといわれており、モンティチェロの敷地内には奴隷たちが暮らした小屋が今も残っている。農園だったエリアは現在もフラワーガーデンや野菜畑、果樹園として大切に管理されており、四季折々の美しい景色が人々を楽しませてくれる。

Monticello公式ホームページ:https://www.monticello.org

 

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ヴァージニア大学(University of Virginia)

モンティチェロから約5マイルほど離れた町の西側には、広大な敷地を有する由緒正しきヴァージニア大学がある。1819年創立の超難関校であり、アメリカを代表する最高峰の教育機関として知られている大学だ。ジェファソンはこの大学を「アカデミカル・ビレッジ」と呼び、学生と教師が共同体として人生のプロセスである学問に取り組めるようにとの思いをこめた。

この大学デザインの最大の特徴は、ローン(Lawn)と呼ばれる構造とロタンダ(Rotunda)という建築物。ローンとは、広い芝生エリアを中心に教室や学生・教師の住居棟を備えた建物が囲むように建つ設計デザインで、芝生エリアの正面にはロタンダが建っている。ロタンダは大学のランドマークとなっている図書館で、イタリア・ローマにあるパンテオン神殿をモデルにしたもの。白いドームと赤レンガ造りがモンティチェロとの類似性を感じさせる。ジェファソンはこの小さなエリアに、彼が目指す希望の村を作り上げたのだ。

ロタンダは1822年に建設が始まり、1826年に完成した。同年7月4日、ロタンダの完成後まもなくしてジェファソンはこの世を去った。「ヴァージニア大学の父」としての偉業を果たした彼の願いは、今もこの地に息づいているのだろう。

ワシントンD.C.からも好アクセス

ワシントンD.C.からは車でたったの2時間。大都会の観光ついでにぜひモンティチェロまで足を伸ばして、自然と歴史にどっぷり浸ろう。