世界遺産「日光の社寺」 日帰り観光おすすめプラン

世界遺産「日光の社寺」 日帰り観光おすすめプラン

週末に都心から離れてちょっと息抜きをしたいけど、行きたい場所が思いつかない……。そんな時におすすめしたいのが、栃木県日光市。頑張れば日帰りでも行けてしまう栃木県日光市では、歴史深いパワースポットが心も体も浄化してくれるはず。そんな日光での日帰り観光におすすめの、世界遺産をめぐるプランをご紹介。

 

 

世界遺産「日光の社寺」とは

「日光の社寺」は、栃木県日光市にある寺社などから構成される世界遺産。日本の伝統や思想・信仰を示す歴史上の重要な建造物群であり、人類の創造的・芸術的才能を表す傑作として1999年に文化遺産に登録された。

「日光の社寺」の構成資産となっているのは日光東照宮、日光二荒山神社、日光山輪王寺の二社一寺と、これらの建造物群を取り巻く複数の遺跡。なかには国宝が9棟、重要文化財が94棟の計103棟もの建造物群が含まれている。

まずは日光東照宮へご挨拶

日光に到着したら最初に訪れたいのが、遺産の代表ともいえる日光東照宮。ここは徳川家康を御祭神に祀った神社だ。この地に東照宮を建てたのは2代将軍秀忠だが、現在残っている社殿群のほとんどは3代将軍家光による寛永13年(1636)の大造替で建て替えられたもの。境内には国宝8棟、重要文化財34棟を含む55棟の建造物が立ち並んでいる。

杉並木に導かれながら表参道を進み、最初の見どころは石鳥居。九州筑前藩主の黒田長政によって奉納された鳥居で、神奈川県の鶴岡八幡宮、京都府の八坂神社と並び日本三大石鳥居と称されている。鳥居は分解して船で運ばれたため、よく見ると柱の真ん中に切れ目があるのが分かる。

石鳥居を入ってすぐ左側にあるのが、重要文化財である五重塔。高さ約35メートルの五重塔の心柱は礎石に触れておらず宙吊り状態で、これは当時の免震技術による構造だそう。塔の1層目には十二支の彫刻が彫られており、特に家康の干支である寅の彫刻が随所に散りばめられている。

表門を潜って正面に建っているのは三神庫。上神庫には、江戸時代の絵師・狩野探幽がまだ見たことのない象を想像で描いた「想像の象」の彫刻がある。三神庫の向かいに建つのは三猿が彫られた神厩舎。神に仕えるご神馬をつなぐ厩で、古くから猿が馬を守るとされていたことから長押には猿の彫刻が8面に描かれている。これらは猿の一生を人間の一生になぞらえた風刺で、特に「見ざる・言わざる・聞かざる」の彫刻は有名だ。

さらに参道を進むと陽明門が見えてくる。500体を超す繊細で絢爛豪華な彫刻が彫られており、江戸時代の職人技を集結した日本でもっとも美しい門として国宝に指定されている。陽明門を支える12本の柱のうち、1本だけ模様の向きが逆さまになった柱がある。「建物は完成と同時に崩壊が始まる」といわれており、わざと未完成の状態にすることで災を避けたと考えられている。ちなみに陽明門の手前には唐銅鳥居があり、この鳥居の中に陽明門がきれいに収まる位置が日光随一のパワースポットだとか。ちょうど曲がり角となっている石畳の左角から右へ3つ、陽明門に向かって2つ目の石畳がそのスポットらしいので、ぜひ立ってみて。

陽明門を潜ると、正面には本殿・石の間・拝殿からなる御本社がある。祭典などが行われる東照宮のもっとも重要な建物だ。内部も拝観できるので、龍の絵が施された格天井をぜひ見ておいて欲しい。御本社の拝観が終わったら、東照宮のさらに奥へ。眠り猫が彫られている東廻廊を通り、ちょっと苦しい石階段を上り切ると奥宮拝殿に到着する。徳川家康の遺体が納められている青銅製の宝塔があり、御墓所の奥には願い事が叶うとされる叶杉がそびえている。

帰り際には、陽明門を出て右側の本地堂で鳴竜を体験しよう。

日光東照宮HP:www.toshogu.jp

 

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縁結びで人気の二荒山神社

東照宮の次は、すぐ隣に位置する二荒山神社へ。二荒山神社は1200年以上前に建てられた、日光山信仰の始まりとなった古い神社。御祭神は、福と縁結びの神である大己貴命(おおなむちのみこと)、子宝の神である田心姫命(たごりひめのみこと)、農業・漁業の神である味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)の三神。御神域は本社をはじめ、男体山や女峰山などを含む日光連山、華厳の滝など全体で約3400ヘクタールにもおよぶ。

まずは拝殿でしっかりとお参りを。周辺には夫婦杉、親子杉、縁結びの御神木など、ご利益のある杉の巨木が多く立っているので一つひとつ見ていこう。拝殿の脇を通って神苑に行くと、良い縁ハート投げやご利益のある湧水を汲める二荒霊泉、御神木胎内くぐりなどのさまざまなご利益スポットがある。そのほかにも、七福神や良い縁狛犬、子宝神社などご利益スポットがそこかしこに点在しているので、運試しを楽しむ感覚で巡ってみて。

ちなみに秋の祭典「良い縁まつり」の期間に訪れると、境内には大きな笹の輪が設置される。手順の通りに3回くぐるとあらゆる良縁に恵まれるそうなので試してみよう。

日光二荒山神社HP:www.futarasan.jp

日光山輪王寺で学ぶ

766年に勝道上人が開山し、鎌倉時代には源頼朝も寄進したという関東の一大霊場。まずは総本堂である三仏堂へ。内部には、日光三所権現本地仏とされる千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音の三体の大仏が祀られている。高さ7.5メートルの巨大な仏像は素晴らしく、拝観料を払えば真下から三体を間近で見上げることができる。紅葉の名所として知られる美しい庭園・逍遥園もお見逃しなく。

日光山の歴史を語る約3万点の展示物がある宝物殿、30体もの仏様が祀られた大護摩堂をめぐり、少し離れた大猷院にも足を伸ばそう。ここは3代将軍徳川家光の墓所で、境内には国宝・重要文化財が22棟ある。金と黒を基調とした豪華な建造物群は、東照宮にも負けず劣らずの華やかさ。315基の石灯籠も壮観だ。

日光山輪王寺HP:www.rinnoji.or.jp

カフェでひと休み

世界遺産めぐりで疲れたらカフェで休憩しよう。「本宮カフェ」は、世界遺産エリアの入口にあるかわいらしい古民家カフェ。木造建築の内部ではゆるやかな時間が流れ、自家製スイーツや料理に心も体もほっこりさせられる。テラス席もあり、春は新緑に癒されながらお茶の時間を楽しめる。

本宮カフェHP:www.hongucafe.com

週末のお出かけは日光へ

都心から電車でも車でも約2時間で行ける栃木県日光は、歴史に自然にグルメなどさまざまな楽しみが詰まった魅惑の観光スポット。気軽に行けるので週末の日帰り旅行におすすめだ。1泊すれば、温泉に浸かってさらにのんびりと満喫できること間違いなし!