光が差し込む神秘の世界
アンテロープキャニオン

光が差し込む神秘の世界 <br/>アンテロープキャニオン

アリゾナ州の北部、ペイジという町のすぐそばにあるアンテロープキャニオン(Antelope Canyon)は、浸食によってできた神秘的な岩窟を見ることができる渓谷だ。長い年月をかけて形作られたフォトジェニックな奇岩のアートを見ようと、毎年多くの観光客が訪れる。ほかでは見られない不思議な光景には、実際に見た人にしか得られない感動がある。

長い年月が作り出した自然のアート

アンテロープキャニオンは、雨がもたらす鉄砲水や風によって砂岩が深く削られてできた岩窟。中に入ると、36メートルほどの高さの壁に挟まれた狭い道が奥へと続く。まるで迷路のような道を囲む岩壁には、ウェーブのように渦を巻いた滑らかな地層が浸食によってむき出しになっている。このユニークな光景は何百万年もの歳月をかけて形作られたもので、今現在もなお浸食は進んでいるという。

この一帯は、アリゾナ、ユタ、ニューメキシコの3州にまたがるアメリカ先住民族・ナバホ族の居留地に含まれている。アンテロープキャニオンは、ナバホ族の間で「岩の間を水が流れる場所」といった意味の名で呼ばれているのだそうだ。ここは現在もナバホ族が管理しており、彼らが運営するツアーでしか内部に入ることができない。

アンテロープキャニオンの見どころ

アンテロープキャニオンには、アッパーキャニオンとロウアーキャニオンの2つの観光ポイントがある。

もっとも人気のポイントは、ガイドツアーでめぐるアッパーキャニオン。ここでは、渓谷の上から差し込む陽の光によって幻想的な空間が浮かび上がる「ザ・ビーム」が見られる。薄暗い渓谷に天使のはしごのような光線が差し込み、周囲が赤く浮かび上がることで、美しく繊細な光景が現れる。

この神秘的な光景は、太陽の光が渓谷の真上から差し込むタイミングでしか見ることができない。ベストシーズンは、4〜10月頃。ただし、真夏は気温が40度近くまで上がることがあり、また突然の大雨で鉄砲水になる季節もあるため、6月か10月が気候的には特にいい時期とされている。

そのほか、見上げるとハート形にぽっかり空いた穴が隠れているポイントや、フォトジェニックなポイントなどを見ながら30分ほどかけて岩窟の奥へと進む。

ツアーでは、ガイドがアンテロープキャニオンの成り立ちや撮影スポットを教えてくれる。スマホで美しく撮影するコツなども伝授してくれるので、撮影に自信がない人でもキレイな写真を撮ることが可能だ。

ロウアーキャニオンでは、細い隙間から狭い岩窟の内部へと入り、足場の悪い道を通りながら渓谷の上へと登っていく。まるで探検しているようなスリル満点の経験ができるエリアだ。以前はロープやはしごしかなかったが、今は安全な階段も設置されて登りやすくなっている。

ロウアーキャニオンは少し難易度の高いコースではあるが、登った時の達成感を味わえる、アッパーとはひと味違った楽しさが魅力。こちらはガイドなしで入場が可能なので、時間に余裕があれば訪れてみよう。

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周辺にも見逃せない自然のアートが

アンテロープキャニオンとともに訪れてほしいのが、壮大な大地のアートが楽しめるホースシューベンド(Horseshoe Bend)。コロラド川が蛇行して、馬の蹄のような形に流れている絶景ポイントだ。赤い岩山とエメラルド色の川のコントラストが美しく、フォトジェニックなスポットとして人気を集めている。

川全体を写真に収めるなら、観賞スポットとして柵が張られている場所から少し右へ移動して、崖の上から撮影してみよう。崖の上は柵がなく、足場が悪いので、十分注意しながら撮影すること。

ホースシューベンドから北へ15分ほど車を走らせると、グレンキャニオン・ダム(Glen Canyon Dam)と呼ばれるダムがある。目の前には大きな橋があり、コロラド川を堰き止める巨大なダムを橋の上から眺めることが可能だ。ダムも圧巻だが、反対側にはコロラド川が流れる美しい渓谷も一望できる。

このダムによって出現したレイク・パウエルは、アメリカで2番目に大きな人工湖。全長は東京から名古屋間ほどの広さがあり、現在はボートツアーなどが楽しめるリゾート地となっている。時間があればこちらも立ち寄ってみよう。