伝統を守り伝えるアーミッシュ・カントリー

伝統を守り伝えるアーミッシュ・カントリー

アメリカの中西部には、18世紀にヨーロッパから移民して以来、独自の集団生活を築いている人々が住むエリアがある。「Amish(アーミッシュ)」と呼ばれる彼らは古くからの伝統的な生活スタイルを今も守り続けており、現代の生活を送る人々とは一線を画している。そんなアーミッシュとはどんな人々なのか、一度は行ってみたいアーミッシュ・カントリーの見どころなどを紹介する。

 

 

電気を使わず生活するアーミッシュ

アーミッシュの人々は、スイスや南ドイツ、フランスのアルザス地方からアメリカへ移民してきた。彼らはキリスト教の中でも厳格な規則を持つ一派で、ほかの宗派やグルーブとは離れて保守的に暮らしていたという。

アメリカへ移り渡ってからは複数の地域に散らばり、現在はオハイオ州、ペンシルベニア州、インディアナ州を中心に生活の場を築いている。独自のライフスタイルを築き上げた彼らの住む町は、「アーミッシュ・カントリー」と呼ばれる。

彼らは電気・通信といった文明機器を一切使わず、昔ながらの様式で極めて原始的な生活を営んでいる。もちろん自動車はないので移動手段は自転車か馬車であり、収入源は主に農耕や牧畜。服装はコミュニティによって規定が異なるが、女性はシンプルで清楚なワンピース、男性は白シャツにスラックスを履きサスペンダーを装着するスタイルが基本だ。

近年ではアーミッシュ・カントリーは観光地化されており、彼らの生活を間近で見ることができる。アーミッシュの住人以外であれば、町なかで車を運転して回ることも可能だ。昔ながらの家の内部を見学できるガイド付きツアーや乗馬体験などのアクティビティも実施されている。ホームメイドのジャムやチーズ、ハンドメイドのキルト雑貨などを買えるギフトショップも多数あるので、ぜひ一度訪れてみよう。

 

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オハイオ州のアーミッシュ・カントリーへ

オハイオ州のアーミッシュ・カントリーは、州都コロンバスから車で1時間40分ほど北東に行ったところにある。見渡す限り丘が連なり、絵画のようなのどかな田園やのんびりと草を食む牛たちが迎え入れてくれる。

まずは、アーミッシュ・カントリーの町なかを自由にドライブしてみよう。近現代の機器が一切見当たらない農村風景は、見ているだけでもノスタルジックな気分が味わえて楽しい。木造のかわいらしい家々や庭のロープに干された色とりどりの洗濯物、すれ違う馬車……と、まるで一昔前にタイムスリップしたかのよう。

 

 


ローカルフードのお買い物
アーミッシュ・カントリーでは農耕・牧畜が盛んなので、肉やチーズ、ジャムなど、地元産のさまざまな食材が売られている。「Troyer A Country Market」は大きなスーパーマーケットの一つ。受賞歴のある肉ブランドや地元農家でとれた新鮮な食材など、アーミッシュ・カントリーのベストフードが一堂に介しているので、食材の買い物にはおすすめ。チーズ好きなら「Heini’s Cheese Chalet」へ。チーズ工場の見学をして、いろんな種類の試食を楽しもう。お店の代表商品チーズ・ファッジは絶対にゲットしたい。

 

 


かわいいハンドメイド雑貨もたくさん!
アーミッシュ・カントリーではキルトや工芸品の手工業も盛んなので、雑貨店が多い。また、家具や食器のアンティークショップも多数あるので、雑貨やアンティーク好きには魅惑のものがいっぱい。キルト雑貨を探すなら「Helping Hands Quilt Shop」へ。ポーチやランチョンマットのような小さいものからベッドカバー、壁掛けのような大きいものまでカラフルな商品が所狭しとディスプレイされている。布だけの購入も可能で、なかには珍しいデザインのものも。

アンティークが好きなら「Berlin Village Antique Mall」へ。2階建ての店内には、ガラス食器や工具、家具などあらゆるアンティーク商品が陳列されている。収集家が集めるようなマニアックなものもあり、掘り出し物が見つかるかも。

 

 

日常からかけ離れた独特な空気が流れるアーミッシュ・カントリー。アメリカの歴史を知るためにも、一度は訪れておきたいスポットだ。